ようこそ、ご相談ですか？

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「あ、Aちゃん。ごめんね今日も待たせて」


そんな時、カランと音がなって振り向くと阿部さんが入ってきた。その後ろにぞろぞろと人が続く。



阿部さんを筆頭に入ってきた3人は全員見覚えがある顔で、宮舘さんもいればあの時公園であの男を取り押さえてた2人もいる。


「あー本当に来てる！やっほ〜」

「あ、どうも…」

「この間ありがとね〜無事あいつお縄よ。警察からの謝礼金もたんまりと頂いちゃってさ」

「ふっかやめて、生々しい」



ふっかと呼ばれた人…確かこの人が社長なんだよね？色付きメガネはしてないけど、2連のピアスが窓からの光に反射してキラリと光ったのを見てイケイケ系なんだなぁとぼんやりと思う。


「社長よ？正真正銘ここの社長」

「はぁ…」

「見えないよね。少しくらい社長の威厳とかつけてもらった方がいいんだけど」



きっとまた読まれたのだろう。そんな私の様子に少し冗談っぽく言った阿部さん。



「威厳よりもこの甘いマスクの方がお客さん受けはいいだろ？」

「バケモンにしか見えねぇよ」

「誰がバケモンだ！」


各々上着をかけたり飲み物をいれに行ったりしながらまたまたコントみたいなやりとりをしているこの人たちの中で私は仕事をするらしい。

違った意味で不安になってきたのはここだけの話だ。

私、馴染める…？


ソファに座った阿部さんがちょいちょいと私を手招きする。座りな？と言われたのでその向かいに座ると、こことここに判子お願いしまーすと書類を差し出される。

その通り持ってきた判子を押すとそれを確認した阿部さんはよし、と呟いてそのままその書類を渡してきた。


「えっと…」

「ふっかに渡してきな？許可は得てるけどこれを"社長"に受理されないと入社したことにはなんないからさ？」


にっこり笑う阿部さんからその書類を受け取った。デスクに座っているふっかさん？の方を見ると頬杖をついて何だか得意げにこちらを見ていた。



「えっと…書類、です」


おずおずと差し出すと社長はふっと笑ってそれを受け取る。別にこの流れで受理されない事は無いんだろうけどなぜか緊張して萎縮してしまう。


「ふはっ、何緊張してんの。笑」

「えっ、いや、あの」

「水瀬Aちゃんの入社を許可します。よろしくね」

「あ…よろしく、お願いします。」



その書類に目を通す間も無く私と目を合わせてそう言った社長。

私は本当に就職したらしい。マジのマジで。

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