【最終話】 ページ12
.
ばぁぁぁんと自室の扉を勢いよく開き、すぐさま机に向かった。
キャップをするのも忘れて放置していたペンを取る。
原稿用紙とちゃんと向き合って、せーのの合図でスタート、殴り書き。
さっき思い描いたことをありったけに詰め込んだ。
先のことは考えなかった。だって先のことなんて知る由もないのは、小説の中のヤツらも同じだから。
「っ、しゃぁぁぁあ!! きたきた!! 中也さんに見せなきゃ!!」
幹部様の部屋目掛けて猛ダッシュ。
気持ちが高ぶるあまりノックをし忘れた私を、「まぁ今日は大目に見る」とお咎めなしにしてくれたことは1週間は忘れない。
「しっかし...これじゃ全部太宰の野郎のおかげだな」
「デハハハ、中也さん全然活躍してない!」
「笑い方うぜぇな。...けど、申し訳ねぇな。俺からは何もしてやれてねぇ」
なんて、幹部が部下に言う言葉じゃない。
だが私はここで「そ、そんなやめてくださいよ...」なんて慌てふためくような純粋な部下でもないので、普通にこの空気にのっかった。
「悪いと思ってるならハグしてください」
「...頭出せ」
「...えっ......?」
「ばッか、ちげぇよ!いいからこっち来い!距離を置くな!」
「うっ...さようなら私の頭蓋骨...」
死を覚悟して中也さんに頭を向ける。
中也さんの手が頭に触れた。
そしてその手は_____軽く頭をぽんぽん、と撫でて戻った。
「...えっ、中也さん...中也さん今頭ぽんぽんしました!?!?」
「明日の仕事の準備しとけよ」
「きゃー中也さんステキ!一生ついて行きますおやすみなさい!」
「あぁおやすみ」
呆れながらも中也さんはふっと笑った。
_____今の、原稿に追加しちゃおう。
.
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
12人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:気空 | 作成日時:2018年7月25日 18時