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    雨の朝 3 ページ3

突然の提案で、少し驚いた。
「ええ。もちろんかまいません。でも急にどうして……?」
 彼はとびきりの笑顔で言った。
「だって、そうしたら雨上がりの風景がもっときらきらになりますから!」
 真っ直ぐにそう言われると、なんだか気恥ずかしい。でも、断る理由はない。それに、恥ずかしいけれど、何より嬉しい。
「わかりました。じゃあ、雨が止んだらルチルの部屋におじゃましますね。」
「ふふ。描けたら、賢者様にプレゼントしますね。」
「ありがとうございます」
 そうして、また二人で笑った。
 少しずつ、ぱたぱたと足音が聞こえ始めた。話し始めてからそれなりの時間が経っていたのだろう。外は相変わらずの大雨だけれど、私の心は晴れ渡っていた。
「もうそろそろミチルが起きる時間……。心配させてしまうといけないからもう戻りますね。」
「もうそんな時間なんですね。楽しかったです、ルチル。ありがとうございました。」
「こちらこそ、とても楽しかったですよ。ありがとうございました。」
 互いに手を振って、その場を離れた。

 こんな朝なら、雨に叩き起こされるのも悪くない。そう思った。 〜Fin〜

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作者名:レイ | 作成日時:2020年7月9日 18時

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