無自覚イケメンは救済する【東リベ】

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雨が全身を打ち付ける。その日は雨が降っていた。春にしては気温が高く、雨の湿気で嫌な気が差し掛かった。




金髪の男は叫びのような声をあげていた。周りの人間は何だ何だと人の隙間からその様子を伺った。


アスファルトに広がった赤黒い血が目に飛び込んだ。どくどくと流れる血。誰かがひっと引き攣った悲鳴をあげたのが聞こえた。





「救急車があと少しで来ます！！お願い、頑張って！！」





血を流す男に、金髪の少年は必死で呼びかける。徐々に冷たくなるその手を握り続けた。





「…たけみち、」



「目を閉じないで！！諦めんな、ぜってぇ助かるから！！！」





黒髪の男はふっと口角を緩めた。すっかり力の入らなくなった手で少年の手を握り返す。


あとは頼んだ。掠れた声でそう言った途端、少年は何かを悟った。




２０××年、×月××日。澁谷にて男子高校生殺害事件が発生。


その場には男子高校生の友達が何人もいたが、彼一人だけを狙っての行動だった。犯人は被害者に恨みがあった。




死亡した男性の名は、宮野A。

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