無自覚イケメンは救済する【東リベ】

２８話 ページ31

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「起きたか、A」





目が覚めると真っ白な天井が先ず目に入った。声のする方を向けば、白衣を着た人間が俺を見下ろしていた。


ぼやける視点が徐々に合わさる。俺の髪を梳くようにさらりと撫でた。





『…父さん、なんで』



「俺の病院に運んだんだ。調子はどうだ」



『喉乾いた』





そういうことじゃない、と一刀両断された。父さんはカルテをめくって簡易的な質問をしてきた。



聞けば脳震盪は起こさなかったようだが、出血量は多いし傷口が大きくそこそこ危なかったらしい。


父さんはため息を吐いて、軽く俺を叩いた。





「危険な真似をするな。外泊禁止にするぞ」



『悪かったって、ちょっとやらかしちゃって』





父さんは俺の生活に関してあぁだこうだと口出したことは無かった。お前はお前だ、病院は継がなくていいと言ってくれた。



けど、俺はそんな父さんに憧れた。


俺は父さんのような医者になりたい。





『ありがと、父さん。やっぱかっこいーわ』



「…お前のそのマイペースさは母さん似だな」





呆れたように父さんは笑った

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