無自覚イケメンは救済する【東リベ】

１３話 ページ15

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お得意の蹴りをいつもより威力を倍増させ喰らわせた。大寿は塞いだものの反動で後ろに倒れそうになっていた。


その隙に腹に一撃入れる。大寿は俺を落とそうとしたのか頭に拳を振りかざす。俺はそれを地面に伏せて避け、そのまま逆立ちする形で大寿の顎に蹴りを入れた。





『お前は暴力を教えるために必要なモノだと思ってるけどよ、それは違えんだよ。


子供っつーのは素直だから、言葉だけでも充分足りる。それなのに暴力で上乗せしちゃあ、お前がただひたすら孤独になってくだけだぞ。



やり方を間違えるな、無理矢理従わせるな。愛してるなら伝えろバカ野郎』





愛することは難しい。下手すりゃ相手のことを傷つけてしまうかもしれない行為だ。


けどそれでも、俺は愛を暴力として表すのは許さない。それは愛じゃない、ただ従わせるだけの手段。



思わず笑っちまうぐらい幸せな想いを、人は愛と言うんだよ。





『俺の話はこれで終わり、あとはテメェ次第だ。ちゃんと話し合え。次殴ってるとこ見たら殺すからな？』



「…お前、名前は」



『宮野A。んじゃな、柴大寿』





ひらひら手を振って背を向けた。あの大寿にとって、俺に負かされたという事実で心は変わるだろう。


ま、柚葉と八戒がもう怪我しないようになんなら何でもいいけど。

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