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コナンsaid





 「それじゃあ、また明日」





 病院の一階にある喫茶店を出て、タクシーに乗り込んだ村中夫妻の二人を見送る。





 「…そういえば、今日病院で虎褪刑事を見かけてね。急いでたみたいだから話し掛けなかったんだけど、コナンくんなにか知ってる?」





 「あぁ、なんか松田刑事が爆発に巻き込まれたんだって。解体する時間もなくて、逃げようとしたんだけど、遠隔操作で爆破しちゃったみたいで…。」





 あ、でも命に別状はないって言ってたよ。そう付け足して見上げれば、不安そうな顔がほんの少しだけ明るくなった。





 「それじゃあ、私たちもそろそろ帰ろっか」





 そう呟いた蘭は、また少し不安そうな顔に戻って、おっちゃんの病室あたりを見上げた。





 「…蘭姉ちゃん。僕は阿笠博士のところに泊まるから、今日はおじさんの側にいてあげて?」





 「え、でも……」





 そう戸惑った蘭に、僕一人で大丈夫だから!と伝えれば、感謝を述べてから気を付けてと付け足して病院に戻った。





 「おぉ、坊主。なかなかイケメンなこと言うじゃねぇか。」





 蘭が病院に入ってから、柱からひょこっと出てきたのは伊達刑事と公安部の人たちだった。





 「ちょっとお前さんに用があるみてぇだぞ。」





 伊達刑事の調子のいい声で、自然と口角があがった。





 目隠しをして車に乗り込み、暫く。目隠しを外されて辿り着いたのは倉庫のような場所。隣には伊達刑事もいた。プルルルル、と音を立ててなった受話器をとる。





 「…こんなところに呼び出して、どういうつもり?安室さん、三好さん」





 「ヒロもゼロも、久しぶりだな。」





 伊達刑事にも聞こえるように受話器を持ち直すと、ありがとなとわしゃわしゃ頭を撫でられた





 「やっぱり、わかってたんだね」





 「警視庁前で起きた外国人焼死事件の捜査にストップがかかったって聞いたからね。そんなことができるのは、余程の権力者か……あるいは」





 「「公安」」





 受話器の向こうで重なった二つの声に、思わず口角があがる。





 「今度の事件には、今意識不明の松田刑事が関わっていて、あなた方は警察学校で同期だった。さらにその件で、捜査一課の佐藤刑事と高木刑事が動き始めている。その状況を考えたら、答えはすぐ出たよ。」

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作者名:づきづき | 作成日時:2023年4月8日 12時

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