任務63.5 ページ19
クザンサイド
「まだクレープ好きだったんだな」
『そりゃぁ好きですよぉー！初めて食べた時こんなに美味しいものあるのかって感動しましたもん！』
「そうかそうか」
『それに、クレープ食べると初めてクザンさんにシャボンディ諸島に来た時のこと思い出して暖かい気持ちになるんです…。覚えてますか、初めて一緒に来た時のこと』
「あァ、もちろん」
『海軍に来るって決めたのは自分の意思で、だけどやっぱりキツくて…潰れそうになってた時にクザンさんが連れてきてくれたんです』
「……そうだったけか」
確かに当時は何か思い詰めたような顔をしていた気がする。
…随分と昔のことで理由までは正確に覚えてねェな。
『私は…本当に救われたんです』
Aちゃんは小さくそう呟いた。
『だから訓練も任務も頑張れたんです。今ここにいるのは全部クザンさんのおかげです…』
「俺のおかげじゃないだろ。Aちゃんが頑張ったからだろ」
『んー、違いますってばぁ』
相変わらずAちゃんは酔っている。
明日になったら今日のことは全部忘れているんだろうか？
その方がAちゃんのためだな。
もし今日のことを全て教えてあげたら顔を真っ赤にして縮こまりそうだな。
それはそれで可愛いが…。
それにしても、いつもこんな素直じゃないもんなぁ。
本音が聞けて少し嬉しい気もするが、少し罪悪感のようなものもある。
『私なんか…誰かに助けて貰わないと何もできないんです…』
Aちゃんはさっきよりも辛そうな声でそう言った。
「…そんなことないだろ」
『ううん、いっつもそうですもん…。マリージョアの時だって………』
「…………マリージョア？」
確かにAちゃんはそう言った。
天竜人嫌いで、マリージョアに足を踏み入れたくないと言っていた、あのAちゃんが。
「Aちゃん、マリージョアで何があったんだ？」
俺は聞いてしまって良いものかと思いつつも、知りたいという衝動が我慢できずに追求した。
『んー…前に話したじゃないですか……』
……前に話した？
「それって…この間エニエス・ロビーに行くときに話してくれたことか？」
『………』
「なぁ、Aちゃん。一体何を抱えてるんだ？」
Aちゃんの反応はない。
そしてしばらくすると寝息が聞こえてきた。
「肝心なところで寝ちゃうのかよ…」
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いろぺん(プロフ) - 名無しのモブさん» ご指摘ありがとうございます！修正しました！ (2019年10月26日 16時) (
レス) id: 269c7cd496 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのモブ(プロフ) - 黄猿の一人称は“わっし”です (2019年10月26日 11時) (レス) id: 58863efb20 (このIDを非表示/違反報告)
いろぺん(プロフ) - 佰さん» ありがとうございます〜！！3の方あと少しで公開するのでもう少々お待ちください！ (2019年7月14日 10時) (レス) id: 94d43d5850 (このIDを非表示/違反報告)
佰 - 凄い面白いです！主人公大好きです！これからも更新頑張ってください！ (2019年7月9日 23時) (レス) id: 12eab0778e (このIDを非表示/違反報告)
いろぺん(プロフ) - タヌポンさん» あああぁぁありがとうございます！亀さん更新ですが頑張ります！(コメ嬉しい…) (2019年4月15日 20時) (レス) id: cdf9f329bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いろぺん | 作成日時：2019年3月29日 13時
