第20話 ページ46
貴方サイド
『ふぅ〜』
私は大きく伸びをした。
「もう足はいいのか？」
『うん！もう全然痛くない！いろいろありがとうね』
何度も背負ってもらったし…。
「いいよ、別に気にすんな」
『これでこれからはサボのところまで自力でいける！』
「お、ついに特訓する気になったか！」
『いや、それはしない』
「はぁ、なんだよ…」
『とりあえず、サボのところ行こう？』
「おう」
＊＊＊
サボ「お、A、エース！」
サボが木の上から飛び降りてきた。
『え、ちょっと！？』
怪我したらどうするの…！？
私は目を瞑った。
サボ「おーい、A？」
その声で私は目を開ける。
『……おはよう、サボ』
あの高さから降りてきて無傷だなんて…。
さすが海賊の特訓してるだけある…。
サボ「足はもう大丈夫なのか…？」
『うん！いろいろ心配かけてごめんね』
サボ「でも、無理はするなよ？何かあったら言ってくれよな！」
『うん…！ありがとうサボ！』
サボ「おう！」
サボはやっぱり優しいなぁ…。
「…………」
サボ「何ふてくされてるんだよ、エース」
『どうしたの…？』
「別に…二人が仲よさそうだなって」
サボ「ははーん、そういうことかよ」
『どういうこと？』
サボはエースに聞こえないように私の耳元で言った。
サボ「Aが俺と仲良くしてるのが嫌なんだよ」
『えーっと、それは私がサボと仲良くするなってこと？』
サボ「いや、俺とは仲良くして欲しいけど、エースとも仲良くしてくれよ」
『……うん？してるんだけど？』
「なにコソコソ話してんだよ…」
『ねぇ、エース』
「なんだよ…」
『私はエースのこともサボのことも大好きなんだから、そんな顔しないでよ！』
「「…！」」
『二人とも見ず知らずの私を助けてくれて、こんなに優しくしてくれて、二人には本当に感謝してる。だから私は二人ともっと仲良くなりたいんだけど…？』
サボ「ははっ…なんで最後疑問形なんだよ。エース、Aがこう言ってるけど？」
「俺もお前のこともっと仲良くなれればいいと思ってる……」
『うん……！』
サボ「念のため言っとくけど、俺もだからな〜？」
『ふふ、わかってるよ〜』
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作者名：いろぺん | 作成日時：2019年3月10日 11時
