第13話 ページ39
エースサイド
「A、遅いな……」
ダダン「エース、ちょっと様子見てこい」
「おう」
＊＊＊
「あいつ、どこほっつき歩いてるんだ…？」
かなり山を下ったところで足跡を見つけた。
そっちは獣がいるっていうのに…。
『きゃあああああ！』
俺は声の聞こえた方へ走った。
Aが虎に襲われていた。
「Aっ！」
『………エースくん！』
俺は持っていたパイプで虎の頭を一発殴った。
虎は驚いて森の奥深くまで逃げていった。
「足痛むか…？」
『ありがとう…エースくんがきてなかったら私…』
「おいおい、泣くな」
『…だって、怖かったから…』
俺はAを抱きしめた。
『ぐすっ…………』
「落ち着いたか…？」
『うん、エースくんはどうしてここに？』
「お前の帰りが遅かったから、探しにきた。この森は凶暴な動物が多いんだ」
『そうなんだ…ありがとう、エースくん』
「その、エースくんってのやめねェか。エースでいい」
サボのことは呼び捨てで、俺のことを君付けで呼ぶのが、俺は少し嫌だったりした。
『わかった！』
「ほら、乗れ」
俺は、しゃがんだ。
「自分じゃ歩いて帰れないだろ？」
『いいの…？』
「その代わり、明日から海賊の特訓参加しろよ」
『えーーーー！？』
Aは困っていた。
そこまでやりたくないのか？
『私、暴力は嫌い…』
「わかったよ…、じゃあ見てるだけでいいから！何か気づいたら言ってくれ！」
『それなら…わかった！』
「じゃあ帰るぞ！」
『え、ちょっと、エース速い速い！！！』
「A、背中を叩くな〜っ！」
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作者名：いろぺん | 作成日時：2019年3月10日 11時
