私、海軍に入ります【ONE PIECE】 (ページ3)

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第1話ページ3

貴方サイド

初めて違う島に行った日から数年たった。

私はあの日以来外に出ていない。

いや、出ることができないと言った方が正しいかもしれない。

外に行けば天竜人ではない人々が沢山いる。

その人たちの何が父たちの逆鱗の触れるかわからない。

あの時の人のように殺されてしまうかもしれない。

私はあんな光景は二度と見たくない。

だから外に行くことを諦めた。

それでも、マリージョア内にいてもあの時のようなことは頻繁に目にする。

父や親戚の手によって何人もの人が理不尽な理由で虐げられ、殺された。

父の“どれい”と呼ばれる人たちに至ってはまともな食事も与えられておらず、それなのに不眠不休で働かされている。

このように天竜人たちは人間をモノとして扱っている。

他の多くのモノと同じように、人間も壊れたら買い直せばいいと思ってる。

“天竜人”に対する嫌悪感が日に日に大きくなっている。

私にもこの人たちと同じ血が流れていると思うと吐き気がする。

私は…あの人たちのようにはなりたくない…。

＊＊＊

「そうだ、ダリア、どれいを買いに行くのに付き合うのだえ。シャボンディ諸島にはまだ行ったことがないだろう？」

父は最近シャボンディ諸島によく出かけている。

なんでも、その島には“どれい”を売っている店がたくさんあるのだとか。

聞くだけで気分が悪くなる。

絶対に行きたくない。

『今、いいところで手が離せないのです、父上』

私は手に持っていた本を見せながら父にそう言った。

「本当にいいのか？魚人が手に入れられるかもしれないのだえ！」

まったく興味がない。

というか、そんな場所には絶対に居合わせたくない。

『私はここで本を読んでいるので、お気をつけて』

父はしつこかったが、丁重にお断りした。

そして少し不満そうな顔で部屋から出て行った。

これで数日は家を開けてくれるだろう。

一人でいる時間が増えるのでしばらく気が楽だ。