4話 ページ4
鬼殺隊に入り立てで、新人の頃。
鍛練を欠かさずとも、すぐには慣れない任務の日々。ある日、普段より倍強く、しぶとい鬼がいた。階級が底辺の私は当然苦戦。ただ1人、ズタボロにやられた。
すると小柄な人が突然横から飛び込んできて、気付けば鬼の頚は落ちていた。
「(年下…っぽいけど違うよね。凄い早かった!!きっと階級も上だろうなぁ…)」
見つめていると、その人は振り向いた。
左右で色違いの瞳が私を見下ろす。すぐに無言で立ち去ろうとして慌てて立ち上がった。
「ま、待って下さっ…痛っ、」
足が骨折していた。
力を入れると激痛で歩けない。年寄りの鴉は行方知らずだし、隠の人を呼べない…
すると彼が私の腕を掴み、立ち上がらせる。そのまま自身の肩に私の腕を乗せ歩き出した。同じ位の身長なのに、凄い力。
近くの木の下に座らせてくれた。腕を組み、少し離れた場所に立っている。
「怪我だらけの奴を、1人には出来ない。俺の鴉に隠を呼ばせた。それまで俺も待つ」
「あ、ありがとうございます」
会話はそれっきり。無言が続き、静まった空気に耐えきれなくなった。
「あの、さっきの凄かったです!あんな早く鬼を斬れるなんて…私も鍛練不足ですね」
「あんな鬼を斬れぬなど、柱として失格だ」
「…え?柱?」
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作者名:紅葉 | 作成日時:2021年1月9日 17時