タバコとアルコールと wtnb ページ20
月もキレイな夜だった。
一夜にして皆死んだ
満月の日だった、
恨めしいほどに輝いていた。
………
ただ、少し
少しだけ
外に出ただけだった。
害のある煙が吸いたくて
箱から取り出して吸っていた、
……ガシャン
そんな音が遠くから聞こえた様な気がした、
でも今の私にはそんな事が
どうでも良くて
また1本と箱から取り出して吸っていた。
……私が戻ったのは30分後だった。
部屋は血だらけで
腕がちぎれてる人も居て
本当にここが現実なのかと思わされるほど
醜い世界へと変貌していた。
「……っえ、何これ」
後ろからそんな声が聞こえてきて
その声のお陰で私は現実へと戻る事が出来た。
「航平…」
「取り敢えず救急s「助からないよ、誰も」
…………
久しぶりにオフィスで宴会を開くって言われて
でも用事があったから皆より遅く参加する事になった。
ふとベランダを見ると
いつものようにタバコを吸っている夏藝(かげ)が居て
いつも通りだなって思っていた。
でも中に入ったら
悲惨な状況になっていて
鼓動も何もかも早くなるような気がして
袋を落とした。
その音で夏藝はこちらを向いて
その目は
酷く脅えたような目をしていて
顔が青ざめていた。
救急車を呼ぼうとしたけど「助からない」と言われて
また現実の暗闇の底へと叩き落とされたような気分になった。
……
その後は
皆の分のお葬式と
会社をどうして行くかと
どう説明するかと……
とにかく大変だった、
そのうち私は段々アルコールに溺れた行くようになった。
日に日にタバコの量も増えて行った。
……でもそんな事関係が無いかのように私は毎日生活していた。
……
その後は大変だった。
でも、そのほとんどが夏藝一人がやると言って
…でも段々夏藝がおかしくなって行ったのは誰にでもわかるような事だった。
アルコールの量は増え
タバコの量も自然と多くなり
きっと限界だったんだと思う。
…結局俺はそんな夏藝を助けてあげることは出来なかった。
そしてもう……
助けてあげる事さえ出来なくなってしまった。
「夏藝、皆久しぶり」
手にはたくさんのお花とお菓子
「また来年も来ますから、それまで待っていて下さい。」
来年あたりにはそっちに行きますから。
タバコとアルコールと fin
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作者名：もも | 作成日時：2022年8月9日 23時
