隙間 kwmr ページ12
…………
…僕は昔からあまり友達を作らなかった。
作らない…というか作っても意味が無いと思っていたからだ
人を避け続けていたけれど、
ある1人は僕と一緒に居た。
……
小学生の頃、初めて出来た女の子の友達だった。
「拓哉くん!何の本読んでるの?」
「歴史…舞鈴さんも見る?」
「うん!見たい!」
いつも明るい笑顔で
鈴のような明るさで
僕はそんな舞鈴を
星雫舞鈴を、
異性としてずっと好きで
初恋の相手…だった。
でも、そんな想いは
1度も伝えられる事も無く
儚く終わっていった。
…再開したのは最近だった。
僕を見て驚くような顔をして、
同時に
悲しい顔も見せた。
悲しい顔の理由はすぐに分かった
「私…ね、結婚する事になったの」
「そっ…か、おめで…とう。」
「…ありがとう」
悲しい顔から無理矢理笑顔を作って見せた舞鈴の顔は
今にも泣きそうな顔だった。
話を聞いてる最中、
頼んでいた烏龍茶のコップは汗が滲んでいた。
話も入ってなんか来なかった。
「…また、何かあったら連絡する。」
「…分かった」
そう言って、彼女は用事があるからとカフェを後にした。
「……」
暫くぼーっとしていた、
現実を受け止めたく無い
結婚なんか心の底からなんてお祝い出来ない。
賛成も出来ない。
…だけど何もかもが手遅れだった、
僕に少しの勇気があれば
僕が早く行動していれば、
思いを彼女に伝えていれば
結末は変わっていたのかもしれない
……いや、
絶対に変わっていたはずだ
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作者名:もも | 作成日時:2022年8月9日 23時