片寄涼太 ページ7
涼太｢………わからない。｣
最近、涼太からよく聞かれる言葉。
GENERATIONSのボーカルとして、悩むことも
多々あるみたいで。
A｢……涼太？｣
涼太｢あっ！Aさん。お疲れ様です。｣
私に気づいて、笑顔を作る涼太。
明らかに作り笑い。
A｢………涼太、おいで？｣
涼太｢笑。なんすか？笑｣
とか言いながらも私の胸の中に入ってくる。
A｢ん？涼太にハグしたかっただけ。｣
涼太を抱きしめる力を少しだけ強める。
すると、涼太は私の背中に腕を回して
ジャケットを掴んできた。
涼太｢……………ｸﾞｽｯ。｣
私は優しく涼太の頭をなでる。
A｢……いいよ、涼太｣
その言葉で、涼太の中の何かが切れたようで、
声をあげて泣き出した。
私は涼太が泣いている間、何も言わず
ただ、涼太の頭を撫で続けた。
ひとしきり泣いたあと、ゆっくりと体を離す。
涼太｢………すいません。｣
私は涼太の顔を両手でぺチンと挟んだ。
A｢なんで謝んの？
もっと、甘えなさい！もっと人に頼りなさい！｣
涼太は少し驚いた顔をしてる。
A｢何のためのメンバーよ。
なんのための相方よ！
なんのための私なの？｣
再び、涼太の目から涙が流れる。
親指で涙を拭きながら言う。
A｢苦しい時、辛い時、支えるためでしょ？
悩んでること、一緒に解決して行こ？｣
涼太の目から流れる涙は留まることを知らない
A｢ねぇ、涼太？
楽しいことは仲間の分だけ倍になってく。
悲しいことは仲間の分だけ半減してくんだよ。
涼太のなかの10ある悲しいことは私に言ったら
5になる。メンバーにいったら1.5足らずになる
たった、1.5だよ？なんてことなくなるよ。｣
涼太の目から涙が消えていた。
涼太｢………ありがと。Aさん。｣
涼太の顔に笑顔が戻った。
A｢うん。涼太のお顔には笑顔の方が似合う｣
涼太の頭をポンポンとなでた。
涼太｢Aさんはヒーローみたいやな。｣
A｢ヒーロー？笑｣
涼太｢ん。俺が助けてって思ってる時に、
何も言わなくても助けに来てくれるやん。｣
A｢笑。涼太の為ならヒーローにでもなんで
もなってあげるよ。｣
涼太｢ヒーローよりも彼女がええけど。｣
A｢いや！笑
でも、どんな日も、傍に居てあげる｣
涼太｢彼女として？｣
A｢先輩として！
早く！メンバーのとこ行ってきなさい！｣
部屋を出ていく涼太の後ろ姿を見つめる。
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作者名：美桜華 | 作成日時：2016年3月10日 14時
