次世代の時間�� ページ10
「······ところで中村さん。山中の激戦でも君の足音は大人しかったですねぇ」
殺せんせーが突然そんなことを言った。
そしてよだれを垂らす。
「しかも······甘い匂いがするようですが？」
「地獄耳で地獄鼻かい······月が爆発した日から今日で丁度1年でしょ。たしか、雪村先生は······今日を殺せんせーの"誕生日"にしたんだよね」
莉桜がウエストポーチから小さな白い箱を取り出す。
箱の中身は······豪華なケーキだった。
おお、誕生日ケーキ！！
「ちっちゃいけどブランドもんの高級ケーキよ。これを崩さず持ってこれる私の体術を褒めてほしい······聞けよ！！」
殺せんせーは前屈みでケーキを見ている。
「だって······だって、1週間ぶりのスイーツ」
「ああもう、よだれ垂れる！！ 皆、とっとと歌っちゃうよ！！」
莉桜が急いでロウソクに火をつけてケーキに刺す。
少しは我慢しようぜ、殺せんせー。
「サン、ハイ！！」
「「『ハァー······ッピバースデートゥーユー♪』」」
俺らの歌声がグラウンドに響き渡る。
「「『ハーッピバースデートゥーユー♪ ハーッピバースデーディーア殺せんせー♪』」」
そんな中、烏間先生とイリーナ先生もこちらにきてこの光景に微笑んだ。
「「『ハァーッピバースデートゥーユー♪』」」
「吹き消せ、殺せんせー！！」
「1本しかねーんだから大事にな！！」
殺せんせーが息を吸い、ロウソクの火を消す──
──グシャッ
前にケーキが潰された。
えっ······
俺らは攻撃があったであろう校舎の上を見上げる。
そこには······
「ハッピーバースデー」
「柳沢······！！」
そこには柳沢と全身フード人間がいた。
「機は熟した。世界一残酷な死をプレゼントしよう」
すると今まで一言も喋らなかったフード人間がファスナーをゆっくり下げる。
その体はボコッボコッとなにかがフードから出ようとしている。
「先生、僕が誰だかわかるよね」
「改めて、生徒たちにも紹介しようか」
紹介する必要はない。
だって俺ら以外で殺せんせーを"先生"と呼ぶ人間なんて、あいつしかいない······
「彼がそのタコから"死神"の名を奪った男だ。そして──」
──ブチブチッ
フードが音を立てて破ける。
「今日からは彼が新しい"殺せんせー"だ」
それは殺せんせーとは似てもつかない、正真正銘の"化物"だった。
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羽衣瑠璃(プロフ) - 雫さん» 澪さん、コメントありがとうございます。完結まで頑張ります！ (4月9日 22時) (
レス) id: 3065eb1929 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - この作品好きすぎます😭✨ 主様のペースで完結まで頑張ってください！応援してます🔥 (4月9日 20時) (レス) @page23 id: e3d32f191f (このIDを非表示/違反報告)
羽衣瑠璃(プロフ) - 明日葉さん» 明日葉さん、コメントありがとうございます。これからも時間を見つけて更新していきます！ (4月7日 22時) (レス) id: 3065eb1929 (このIDを非表示/違反報告)
明日葉(プロフ) - 更新頑張ってください 応援してます！ (4月7日 21時) (レス) @page23 id: a12f4a84c4 (このIDを非表示/違反報告)
羽衣瑠璃(プロフ) - ノーレーさん» ノーレーさん、コメントありがとうございます。今週の土日辺りに投稿する予定なので楽しみに待っていてください。 (4月3日 6時) (レス) id: 3065eb1929 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羽衣瑠璃 | 作成日時：2023年8月20日 16時
