親子の時間�� ページ19
目の前にある2つの選択肢。
生きるか、死ぬか。
『俺は······』
迷ってはいけない。
選ぶべき道は1つだけ。
······なのにどうして、俺は生きたいって言えないんだろう。
生きたいはずなのに······
『······ねぇ、パパ』
「なに？」
『ねぇ、ママ』
「なぁに？」
『············2人は、後悔した？ 俺が生きていること。こんな俺に、命をかけて守ったこと』
選ぶ前に聞きたかった。
正直、俺は2人が誇れるような生き方をしていない。
赤ちゃんだった優希を利用した。
夢を捨てた。
人を殺した。
こんな顔をした女に生まれたことを後悔した。
自暴自棄になっていた。
死のうとした。
そんな俺は、本当に生きてて良かった？
俺の言葉に2人は顔を見合わせて······
「「まったく」」
声を揃えて断言した。
「申し訳ない気持ちはあったわ。幼かったAを1人ぼっちにしたせいで、あなたは幼いままではいられなかった。背伸びして大人になるしかなかった」
「たしかに後悔をした。でもそれは、この腕で泣いているAを抱き締められなかったことにだ。死んでほしいなんて1度も思わなかった」
「Aが生きていることがなによりも嬉しかった。特にこの1年はよく笑っていたわ。楽しそうに学校に通っていた」
「優希くんのために勉強を頑張る姿を見て、僕たちは感動した。子供の成長が親にとって1番の幸せだから」
ああ······！
2人は本当に俺を心から愛してくれていたんだ。
「ママたちがAに言えることは1つだけよ。これだけは守ってちょうだい」
「なにを目指してもいい。だが、後悔のある選択だけはしないでほしい」
『そっか······』
俺は目を擦り、涙を拭う。
2人の言葉は俺の背中を押し、迷いを消してくれた。
『パパ。ママ。俺、生きたい』
まだ死ねない。
俺にはやるべきこと、やりたいことがたくさんあるから。
『俺はもう1人じゃないから大丈夫。ちゃんと生きて、殺せんせーや皆······カルマに会いたいんだ』
「カルマくんに······」
するとなぜかパパが渋い顔をし、ママは呆れ顔。
「あらら。パパったらまだ拗ねてるの？」
「いや、まだAに彼氏は早くないかな？ まだ中学生だし、そういうのはもっと大人になってからでもいいんじゃないかな」
パパが過保護だったこと忘れてた······
ママ曰く、俺が乳児の頃から男が近づくのを嫌がっていたとか。
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羽衣瑠璃(プロフ) - 雫さん» 澪さん、コメントありがとうございます。完結まで頑張ります！ (4月9日 22時) (
レス) id: 3065eb1929 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - この作品好きすぎます😭✨ 主様のペースで完結まで頑張ってください！応援してます🔥 (4月9日 20時) (レス) @page23 id: e3d32f191f (このIDを非表示/違反報告)
羽衣瑠璃(プロフ) - 明日葉さん» 明日葉さん、コメントありがとうございます。これからも時間を見つけて更新していきます！ (4月7日 22時) (レス) id: 3065eb1929 (このIDを非表示/違反報告)
明日葉(プロフ) - 更新頑張ってください 応援してます！ (4月7日 21時) (レス) @page23 id: a12f4a84c4 (このIDを非表示/違反報告)
羽衣瑠璃(プロフ) - ノーレーさん» ノーレーさん、コメントありがとうございます。今週の土日辺りに投稿する予定なので楽しみに待っていてください。 (4月3日 6時) (レス) id: 3065eb1929 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羽衣瑠璃 | 作成日時：2023年8月20日 16時
