プライドの時間�� ページ35
朝、俺とカルマは一緒に登校する。
付き合ってからずっとそうで、この日もいつも通り学校に······とはいかなかった。
「はァ？」
「肩、ぶつかったっつってんだよ」
「なんか一言あんだろが」
朝っぱらから柄の悪い奴らに絡まれた。
「そっちが広がって歩いてるからじゃん。え？ 謝んなかったらなんかあんの？」
「······！！」
「コラ、中坊」
「ははっやるんだ」
『······っ！ ちょっ──』
「すいませんでしたー！！！」
俺が急いで止める寸前で変装した殺せんせーが突然現れ、見事な土下座を俺らに披露した。
そしてなにか言われる前に不良の靴を舐める。
「どうか、この担任に免じてお許しを！！ この通り靴ならいくらでも舐めますので！！」
溶けていく不良の靴と土下座する殺せんせー。
キモイ······
感謝の前にそんな気持ちが湧いてくる。
「······チッ。生徒の態度ぐらい教育しとけ！！」
不良たちは呆れながら去っていった。
なんとか穏便に済み、俺は安堵した。
「本校舎の先生が後ろにきています。Aさんはそれに気づいたんですよね？」
その言葉に俺は頷き、カルマにしっかりと言う。
『ああ。おい、カルマ。この時期に暴力沙汰はヤバいだろ。合格取り消しになったらどうする』
「フン」
こいつ、まったく反省してねーな。
俺は思わずやれやれと頭を抱えた。
「この1年で随分成長した君ですが······そのケンカっ早さは直りませんねぇ」
「悪くないのに頭下げろって？ あんな雑魚相手にプライド捨てるなんて······自分の中の刃を失くしちゃうよ」
「それは断じて違いますよ、カルマくん」
殺せんせーは言った。
一流の殺し屋なら、追跡の最中にぶつかったら迷わず頭を下げる。
大きなターゲットを狙う者にとって、手前の小さなイザコザはリスクしかないからと。
「君の目指す官僚の世界でも、理想のためには理不尽に頭を下げねばならない時がある。君に合った頭の下げ方を教えましょう」
「······」
カルマはかなり不服そうな顔をしていた。
まぁ、俺からも根気強く言うか。
すると······殺せんせーは顔をピンクに染め、ニヤニヤしながらメモ帳とペンを取り出した。
「ところで、朝から熱々ですねぇ。どうせならこのあと、いってきますのキスでも──」
『死ね！！』
俺は羞恥心をごまかすために殺せんせーに向かってナイフを振った。
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羽衣瑠璃(プロフ) - ラララさん» ラララさん、コメントありがとうございます。そう言ってもらえるととても嬉しいです(*≧∀≦*) (8月21日 9時) (
レス) id: 3065eb1929 (このIDを非表示/違反報告)
ラララ - すっごく面白くて、楽しみにしています！色々あったけどやっと付き合えて良かった〜！こんな素晴らしい物語を作ってくれてありがとうございます！(＞人＜;ｶﾝｼｬｧ~ｯ‼︎ (8月20日 22時) (レス) @page49 id: 89c659f65a (このIDを非表示/違反報告)
羽衣瑠璃(プロフ) - とまとさん» とまとさん、コメントありがとうございます。まさかのストレス解消になるとはビックリです。こちらこそ、読んでいただきありがとうございます！ (8月5日 17時) (レス) id: 3065eb1929 (このIDを非表示/違反報告)
とまと - これを読むだけでストレス抜けます。夢主の性格×カルマの絡み最高です！！いつもありがとうございます！！ (8月5日 16時) (レス) @page44 id: 3865ce0038 (このIDを非表示/違反報告)
羽衣瑠璃(プロフ) - Kk さん» Kkさん、コメントありがとうございます。そう言ってもらえてとても嬉しいです。ありがとうございます！ (7月30日 20時) (レス) id: 3065eb1929 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羽衣瑠璃 | 作成日時：2023年6月3日 13時
