いい加減にしろお前ら！ ページ10
昼間｢まあ、いいよ。｣なんて返事をした自分を殴ってやりたい。
昼間よりマシとはいえまだ日差しがガンガン私を攻撃してくる。
誰だよ、こんな日にプール掃除しろなんて言ったやつは。
水の入っていないプールの中に入り、ただただデッキブラシを持ったまま動けずにいる。
｢あー、やっぱ暑いね。｣
私の隣にはデッキブラシを支えにしながら立つ鈴木。
シャツのボタンを上3つ開け、シャツの袖とズボンの裾を上手に織り上げて涼しそうに見える。
｢鈴木、爽やかすぎない？｣
え、そう？とにこりと微笑む。
イケメンは笑うだけで涼しい風を呼び込むのかな？
田淵と斎藤はというとキャッキャ、キャッキャと何人かの男子と水の掛け合いをして遊んでいる。
それをキラキラした目で見つめる女子たち。
水とイケメンってこんなに女の子たちを喜ばすのね。
｢ごめんねAちゃん。｣
｢ん？｣
｢Aちゃんいるなら掃除くる、なんて言って巻き込んで。
Aちゃん居たら楽しいと思ったんだよね。｣
｢うん、いいよ。いつでも呼んで！｣
さっきまで来たことに死ぬほど後悔してたけど鈴木のその申し訳なさそうな顔でそんな気持ち吹っ飛びました。
｢A、貴雄！こっちおいでよ！！｣
水が出続けているホースを持った斎藤が笑顔で手を振る。
｢うん、絶対やだ！｣
負けじと満面の笑みの鈴木。
その様子を見ていた田淵ははっはっは！と大きな声で笑っている。
｢3人ってほんと仲良いよね。｣
｢え、仲良くないよ？｣
｢え？仲良くないの？｣
疑問符を疑問符で返すと何が面白かったのか鈴木がケラケラと笑う。
｢うーん、仲悪いことは無いし、仲良いとも認めたくないんだよね。｣
それはつまり仲良いけど自分達で認めたくないってことだよね？
｢なんでそんなひねくれてるの。｣
｢そんなこと田淵に聞いてよ〜。｣
名前を呼ばれたことに気づいたのか田淵がひょこひょこ飛び跳ねながら歩いてくる。
｢なに？呼んだ？｣
｢呼んでないけど呼んだ。｣
｢田淵覚悟！！！｣
突然聞こえてきた声に背筋を伸ばすと私に向かって大量の水が飛んでくる。
｢ぎゃあああああ！｣
｢あ、ごめん間違えた！！｣
大丈夫！？と言いながらも声色は笑っていて全然申し訳なく思っていない斎藤。
｢もうこの際みんな濡れよう、ほら鈴木くんも。｣
田淵の誘いに本気で嫌そうな鈴木の声が聞こえたけれど、そこに容赦なく斎藤が加担して水をかけた。
【いい加減にしろお前ら！】
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オーちゃん - 面白いくて、続きが気になりすぎています。 (2020年9月7日 19時) (
レス) id: c6e6b01eb8 (このIDを非表示/違反報告)
麗華 - はじめまして(#^_^#)とても楽しみなお話で続きが早く読みたいです( ´艸｀)これから宜しくお願いいたします(。・∀・。)ノ (2020年4月19日 17時) (レス) id: 39e224bf48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕 悠 | 作成日時：2020年4月19日 14時
