聞き間違いかと思う程 ページ8
斎藤が席を外して10分ほど経った。
田淵は気にしてないように見せてるけど、さっきよりも饒舌だからめちゃくちゃに動揺してると思う。
｢田淵、気持ちは分かる。｣
｢え！？何が！？｣
｢田淵が普段の倍喋るようになると動揺してるサインだもんね〜。｣
一方鈴木はさらりとした笑顔で田淵を見ている。
｢斎藤、結構告白されたりするの？｣
｢まーね、よく告白されるけどこんなに堂々と呼び出されたのは初めてかもね。｣
やっぱあの王子ぶりだと告白くらいされまくってるよね。
相手の女の子もめちゃくちゃ可愛かったからその勇気にやられて付き合っちゃったりするかも。
あの子が斎藤と付き合い始めたら、斎藤のファンから守ってあげないと。
｢ただいまー。｣
｢あ、斎藤。｣
おべんと、おべんと！とリズムに乗りながら椅子に座る斎藤は本当にさっき可愛い女の子に呼び出された斎藤か疑いたくなる。
｢斎藤くん、どうだったの？｣
｢え、何が？｣
｢宏介、さっきなんで呼び出されたの？｣
あーん、と卵焼きを口に頬張る斎藤が穴が空くんじゃないかと言うほど凝視する2人。
もちろん私も同じようにじーっと視線を送る。
｢ああ、さっきのね。付き合って欲しいって言われちゃった。｣
｢やっぱり！告白だ！｣
｢なんで告白されたのにそんな冷静なのよ。｣
｢で、なんて答えたの？｣
ふふふ、と左の口角を上げて怪しげに笑う。
｢何、怖い。早く答えてよね、これから私が守るべき物ができるかもしれないのに。｣
3人から、は？？という声を食らう。そんな冷たいトーンで言わなくていいじゃない。
｢もちろん断ったよ。
俺はあの子のこと何も知らないし、あの子も俺のこと知らないだろうから。｣
斎藤の言葉に田淵と鈴木がはああ、と大きく息を吐く。
｢よかった〜。とうとう斎藤くんがリア充になるかと思った。｣
｢あの子が変態宏介の餌食にならなくて良かったー。｣
｢え、斎藤変態なの？まじで？｣
｢お前ら俺のことなんだと思ってんの。｣
田淵はめちゃくちゃ安堵な表情だけどもしかして斎藤のこと好きなのかな？
鈴木は変態な斎藤の一面をしってるってどんな関係なんだろう。
てゆうかこの顔で変態なんだ、斎藤。
｢まあ、とりあえず今はちょっと狙いの子がいるから誰とも付き合わないかな。｣
ささ、お弁当食べよ、ともぐもぐと食べ進める斎藤。
意味深な斎藤の言葉には誰も触れないまま、何故か田淵の昔の恋愛の話で盛り上がった。
【聞き間違いかと思う程】
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オーちゃん - 面白いくて、続きが気になりすぎています。 (2020年9月7日 19時) (
レス) id: c6e6b01eb8 (このIDを非表示/違反報告)
麗華 - はじめまして(#^_^#)とても楽しみなお話で続きが早く読みたいです( ´艸｀)これから宜しくお願いいたします(。・∀・。)ノ (2020年4月19日 17時) (レス) id: 39e224bf48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕 悠 | 作成日時：2020年4月19日 14時
