この展開は確実に ページ7
昨日のことを斎藤と鈴木に話すとゲラゲラと大爆笑された。
「田淵そんなに気にしてたの?!」
「当たり前だよ、斎藤くんに言われたら気にするよ。」
「田淵は気にしすぎなんだよ。それにしてもAちゃんも大胆だよね。」
鈴木は目の端に溜まった涙を指で拭う。そんな泣くほど笑える話題だった?
「田淵がびっくりするほど顔近づけたんでしょ?俺にもやってよ。」
斎藤がずいっと私に顔を近付ける。
ちょっとちょっと。
こんなたくさん人のいるところで顔近づけられたら斎藤のファンに刺されちゃうよ。
その前に綺麗な顔にドキドキして心臓止まるわ。
「心臓に悪いからやめて。それにあれはわざとじゃないから。」
「宏介はイケメンだからなー。」
やめてよ、と顔をくしゃりとさせて笑う。
イケメンは自分がよく見える笑い方を知ってるな。
「キスしそうだったんだから。
女の子がだめだよ、あんな距離で男と話しちゃ。」
なんか田淵と話しやすくなったなぁ。
物理的な距離だけじゃなくて普段の距離も縮まったようで安心。
「え、田淵そんなこと考えてたの?
えっちじゃん。」
斎藤がわざとらしく手を口元に当てて鈴木にスッと寄っていく。
「やだぁ、田淵〜Aちゃんとキスするつもりだったの〜?」
鈴木もノリノリで斎藤に乗っかる。
「斎藤、キスくらいでえっちとか小学生?」
「そんなわけないでしょ。
もっとすごいこと知ってるよ。」
試してみる?と笑う斎藤。
こんなこと女の子が言われたら冗談でもドキッとするどころか「あれ?私の事好きなんじゃないかな?」なんて思っちゃうから気安くしたらダメだと思う。
「魔性か。」
「斎藤くんは魔性だよ。良くないよそういうの。」
「将来宏介は世の女性を片っ端から魅了していくんだよ。やだね〜。」
「まさかの全員敵に回ったんだけど。」
転校してきてちょっと不安だったけど何とか楽しい高校生活を送れそう。
昼休み、いつもみたいに私の席を中心に彼らが昼食を広げ始める。
「あれ、斎藤今日お弁当なの?」
「母さんがね、作ってくれた。」
ふーん、斎藤のお母さんか…。
きっと美人で優しくてこんな斎藤でも包み込んでくれる人なんだろうな……
ちょっと天然だと嬉しい。
「あの、斎藤くん。」
突然聞こえてきた可愛らしい声に顔を上げると顔を真っ赤にした女の子がいて振り絞るようにこう言った。
「ちょっと、来て貰えますか?」
【この展開は確実に】
(告白ですね。)
(告白だな。)
(告白だ。)
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オーちゃん - 面白いくて、続きが気になりすぎています。 (2020年9月7日 19時) (レス) id: c6e6b01eb8 (このIDを非表示/違反報告)
麗華 - はじめまして(#^_^#)とても楽しみなお話で続きが早く読みたいです( ´艸`)これから宜しくお願いいたします(。・∀・。)ノ (2020年4月19日 17時) (レス) id: 39e224bf48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:裕 悠 | 作成日時:2020年4月19日 14時