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ちょこん、と彼女が隣に座る。
｢あの……宏介さん……｣
しばらく沈黙が続いた後、Aちゃんが口を開いた。
｢……何？｣
自分の口から思った以上に冷たい声が出た。
｢あ、なにも……｣
Aちゃんの顔は一瞬歪んでぱっと逸らされる。
……今のはさすがに感じ悪かった。
なんでこんなに意地を張ってしまうんだろう。改めて自分の頑固さに辟易とする。
ちらりとAちゃんの方をみてはっと息を飲んだ。
ぼろぼろと大粒の涙を零しながら静かに泣いていた。
｢Aちゃん。｣
名前を呼ぶとぱっと手のひらで顔を隠す。
｢宏介さん……。｣
｢私の事、もう……嫌いになっちゃった？｣
思わず彼女の腕を掴んだ。
顔を隠していた手を外すとぐしゃぐしゃに歪んだ彼女の顔。
こんな顔を見たいわけない。
Aちゃんの笑顔が好きなのに、今は眉を下げて口を歪ませた悲しい顔しか見えない。
｢嫌いになれるわけないじゃん。｣
昔だったら喧嘩するたび別れればいっかなんて考えてたけど、どうしても手離したくないと思ったのはAちゃんだけだ。
そんな簡単に嫌いになれるわけない。
｢嫌いになれるわけないよ。
俺茉央ちゃんのこと大好きだもん。｣
彼女の頬を手のひらで包み込む。
ちょっと顔色悪い、かな。
目の下にもクマが出来ている。
きっとすごく悩ませてしまったんだろう。
｢もっと早くに謝らなきゃって思ってて、けど俺めちゃめちゃ頑固だから顔合わせる程何も言えなくなっちゃって。
今日こそは、ってここで待ってたのに酷い態度とってごめん。｣
やっと素直に言葉が出てきた。
言っている最中も、彼女の表情は歪んだままで溢れる涙は止まらない。
言葉に詰まりながら謝る彼女。
本当に謝らなきゃいけないのは俺の方なのに。
｢俺こそごめんね。こんなに泣かせてほんと嫌になる。
これからもそばにいて。｣
彼女を抱きしめるとふわりと鼻を掠るAちゃんの香り。
背中にAちゃんの腕が回るとそれに答えるように強く抱きしめる。
｢私を離さないでください。｣
体を離すと、もうAちゃんの目に悲しい色は写ってなかった。
｢絶対この手、離さないから覚悟しておいて。｣
彼女の細い指に自分の指を絡ませて強く握る。
自我が強くて頑固でダメな俺だけど、絶対この手だけは離さないから。
【絡めた指に誓って-sideS-】
その異常さに惹かれてやまないのです【閲覧注意】→←絡めた指に誓って-sideS-
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るう＠邦ロックとetc(プロフ) - うわあ………尊い………めっちゃすきです………m(_ _)m (2020年10月3日 7時) (
レス) id: d47d9f7e3c (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - まるこさん» ありがとうございます。ちょっと過激すぎたかな？と思いましたが楽しんでいただけて嬉しいです。第2弾、終わったばかりですが第3弾が始まりました。またお付き合い頂けたら嬉しいです。 (2020年4月27日 20時) (レス) id: af8940d8bd (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - 零さん» ありがとうございます。第2弾、終わったばかりですが第3弾が始まりました。またお付き合い頂けたら嬉しいです。これからもよろしくお願い致します。 (2020年4月27日 20時) (レス) id: af8940d8bd (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - あちゃさん» ありがとうございます。第2弾、終わったばかりですが第3弾も登場しております。またお付き合いください。 (2020年4月27日 20時) (レス) id: af8940d8bd (このIDを非表示/違反報告)
まるこ(プロフ) - 第二弾お疲れ様でした！どのお話も楽しく読ませていただきました！（最後のお話私的に最高すぎました、、、！）第三弾も楽しみにしていますので、無理せず更新していただけると嬉しいです！ (2020年4月27日 2時) (レス) id: 5234202a18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕 悠 | 作成日時：2020年4月8日 18時
