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「びっくりした……もう来てくれないかと思った……っ。」

背中にまわった宏介の腕に力が入り、強く抱きしめられる。


「宏介、ここ、駅っ、皆見るよ」

その声に体が離れ、手を掴まれた。
黙ったままの宏介に手を引かれ、駅の後ろの公園に歩き出す。



抱きしめてはくれたけど、この無言の時間が怖くて涙がずっと零れたままだ。

どうしよう、もう会えない?
今日で会えなくなっちゃうのかな?

「……別れるなんて言わないで。」


思わず零れてしまった言葉に宏介が振り返る。

「言わないよ、言えるわけない。」

目じりを下げて、眉を歪ませた宏介が私の目元を指で触る。

「むしろ別れるって言われるかと思った。
もう来てくれないんじゃないかって諦めてた。

約束全然守れなくてごめん。
出来るだけ悲しい思いはさせないから。」

だからそばにいて、と弱々しい声で呟く。

こんなに悲しそうな宏介は初めてだ。
“絶対”って言わないところが宏介らしい。



「寂しかった、会えなくなると忙しいって分かってても悲しかった。

でも、大丈夫。やっぱり私は音楽をしてる宏介が、 好きだから。

これからも宏介の傍で居させて。」

宏介の唇が右の瞼に触れる。


もうこんなに泣くAは見たくないな、と呟いてまた強く抱きしめられる。



「なんか……離れたくなくなったね。」

「宏介、仕事は?」

「抜けてきた。田淵にも行けって言って貰えたから走ってきた。」



もう少しだけ、と言って離れようとしない宏介を抱きしめ返した。


【不器用だけど愛してる】


(このまま連れて帰りたいね。)
(戻りなよ。みんな宏介の事待ってるよ。)

(今はAと一緒にいたい。)





現実的にこんな情熱的な斎藤さんはありえないと思って書きました。

ドライオブ斎藤はこんなに恥ずかしいことはしない。

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設定タグ:UNISONSQUAREGARDEN , 斎藤宏介 , 邦ロック   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - 夕凪さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいお言葉に励まされました。夕凪様の小説も読ませて頂きたいと思います。そして続編、少しずつですが書いていこうと思いますのでまたよろしくお願いします。 (2020年4月8日 18時) (レス) id: af8940d8bd (このIDを非表示/違反報告)
夕凪(プロフ) - はじめまして、こんにちは。小説通して、とても楽しませて頂きました。わたしも勝手ながら夢小説を書いているのですが、情景・心理描写など参考になる部分が多々ありました。ひとときの夢をありがとうございます。もし可能でしたら…続きを楽しみにしています。 (2020年4月8日 14時) (レス) id: e6f9b067c6 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 零さん» コメントありがとうございます!私の中の斎藤さんイメージで書いているので自身は楽しく書かせていただいております。楽しんで頂けてとても嬉しいです。これからも頑張ります! (2020年4月2日 20時) (レス) id: af8940d8bd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 第一話から拝見させて頂いてます。色っぽくてドキドキする展開にいつもときめいており、更新されてるとわくわくしながら読んでいる自分がいます。これからも応援させて頂きます、頑張ってください! (2020年4月2日 19時) (レス) id: e30a93ed77 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:裕 悠 | 作成日時:2020年3月27日 11時

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