心臓がひとつじゃ足りない ページ33
彼氏がかっこいい、というと｢恋人フィルターがかかってるから｣とよく言われると思う。
分かる、そうかもしれない。
けど、私の彼氏は本当にかっこよくて会う度好きが溢れてしまう。
｢あー、今日疲れた。｣
宏介さんがネクタイを緩め、ワイシャツのボタンを2つ外した。
｢こうすけ、さ、｣
思わず声にならない声が出た。
｢ん？どした？｣
外したネクタイをテーブルの上に置いて宏介さんが首を傾げる。
ダメだ、宏介さんカッコよすぎる。
いつもきっちりワイシャツの1番上までボタンを止めて、きちっとした格好をしている宏介さんがちょっと緩い姿になるのがこんなに魅力的になるなんて……。
｢な、なんにもないです。｣
大丈夫？、といって笑いながら隣に座る。
｢今日ほんと疲れたよー。
いつもTシャツに着替えて帰ってくるんだけど、1日この姿だったから。
変に力入っちゃうね。｣
今日仕事が入っていた宏介さんと駅で待ち合わせてそのまま宏介さんの家まで来た。
駅の改札付近で待っててくれていた宏介さんはあまりにもカッコよくて、気づかれてしまうんではないかとハラハラした。
｢宏介さん、あんな格好で居たらファンに見つかっちゃいますよ。｣
｢大丈夫。帽子かぶってたし、マスクもしてたし。
そんなに長い時間待ってたわけじゃないよ。｣
違うんです、かっこよすぎてバレちゃうんです。
さ、ビール飲もー！と立ち上がり伸びをしたと思うと冷蔵庫に向かって歩く。
伸びをした時にちらりと見えた脇腹があまりにも色っぽくて目を逸らした。
宏介さん、肌すごく白くて、肌綺麗で、直視できない。
ほんとに無防備な彼に、私の理性がどんどん崩壊していくのが分かる。
｢Aちゃん飲む？｣
ビールを私の目の前に差し出し、缶をゆらゆらとゆっくり揺らす。
｢いただきます。｣
はいどーぞ、といってさっきよりも近い位置に座る。
カシュ、っと音がなり宏介さんがビールの缶を開けると泡が溢れてきて宏介さんの指を濡らす。
わわ、と言いながら指ですくった泡を口元に持っていく。
あ、これ見ちゃダメなやつだ、と思いつつ凝視してしまった。
舌で指についた泡を舐めとり、すぐに缶ビールに口付ける。
その仕草はあまりに妖艶すぎて私の体温を一気に上げた。
｢Aちゃんごめん、俺ちょっと振ったからこうなるかも。
そっちのティッシュちょうだい。｣
宏介さんが慌てて私の反対側のティッシュに手を伸ばす。
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裕(プロフ) - 夕凪さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいお言葉に励まされました。夕凪様の小説も読ませて頂きたいと思います。そして続編、少しずつですが書いていこうと思いますのでまたよろしくお願いします。 (2020年4月8日 18時) (
レス) id: af8940d8bd (このIDを非表示/違反報告)
夕凪(プロフ) - はじめまして、こんにちは。小説通して、とても楽しませて頂きました。わたしも勝手ながら夢小説を書いているのですが、情景・心理描写など参考になる部分が多々ありました。ひとときの夢をありがとうございます。もし可能でしたら…続きを楽しみにしています。 (2020年4月8日 14時) (レス) id: e6f9b067c6 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - 零さん» コメントありがとうございます！私の中の斎藤さんイメージで書いているので自身は楽しく書かせていただいております。楽しんで頂けてとても嬉しいです。これからも頑張ります！ (2020年4月2日 20時) (レス) id: af8940d8bd (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 第一話から拝見させて頂いてます。色っぽくてドキドキする展開にいつもときめいており、更新されてるとわくわくしながら読んでいる自分がいます。これからも応援させて頂きます、頑張ってください！ (2020年4月2日 19時) (レス) id: e30a93ed77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕 悠 | 作成日時：2020年3月27日 11時
