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宏介は私の目から零れ落ちる涙を指ですくい上げる。
「ごめん、ほんとうに何も考えてなかった。
相手に興味もなかったし、どうでもよかったから。
でも違うよね。バカでごめん。」
無神経過ぎだよ、なんで先輩に髪触らせてるの?
そもそもここ最近毎日色んな人にべたべたされてる所見せられてて平気なわけないじゃん。
宏介すごいかっこいいんだよ?不安にならないわけないじゃん。
田淵が言った通り宏介の苦手な人達ばっかりだと思ってたけど、綺麗な先輩もいたし、気が気じゃない。
頭の中で色んな思いがぐるぐる回っているけど言葉に出来ない。その代わりに堰を切ったように涙が溢れて止まらない。
ゴシゴシと涙を拭っていた手を宏介に止められ、そのまま抱き寄せられた。
ゴツゴツした腕と、宏介の匂いと熱に安心していく。
「俺、Aだけだよ。Aしかいない。どんなに周りが寄ってこようがAしか居ないから。」
だから離れないで。、と呟いた
体を少し離すと、目にかかっていた宏介の前髪を指でつまんで横に流す。
「宏介に触っていいのは、私だけだよ。」
「はい。」
「この距離で宏介を見てもいいのも、私だけ。」
「はい。」
「さすがに……嫉妬しました……。」
目を伏せていると、宏介がおでこに軽く唇が触れるくらいのキスをした。
最後にごめんね、と呟くともう一度強く抱き寄せられる。
この言葉と、この温もりを信じてるから。
これからもわたしだけを見てて。
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斎藤さんを学生にするの難しい。
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裕(プロフ) - 夕凪さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいお言葉に励まされました。夕凪様の小説も読ませて頂きたいと思います。そして続編、少しずつですが書いていこうと思いますのでまたよろしくお願いします。 (2020年4月8日 18時) (レス) id: af8940d8bd (このIDを非表示/違反報告)
夕凪(プロフ) - はじめまして、こんにちは。小説通して、とても楽しませて頂きました。わたしも勝手ながら夢小説を書いているのですが、情景・心理描写など参考になる部分が多々ありました。ひとときの夢をありがとうございます。もし可能でしたら…続きを楽しみにしています。 (2020年4月8日 14時) (レス) id: e6f9b067c6 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - 零さん» コメントありがとうございます!私の中の斎藤さんイメージで書いているので自身は楽しく書かせていただいております。楽しんで頂けてとても嬉しいです。これからも頑張ります! (2020年4月2日 20時) (レス) id: af8940d8bd (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 第一話から拝見させて頂いてます。色っぽくてドキドキする展開にいつもときめいており、更新されてるとわくわくしながら読んでいる自分がいます。これからも応援させて頂きます、頑張ってください! (2020年4月2日 19時) (レス) id: e30a93ed77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:裕 悠 | 作成日時:2020年3月27日 11時