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「斎藤くんに聞いてからちょっと見てたけど……
教室ではみんなと程よく仲良く、女子特有のグループにも馴染んでるし。
人嫌いっぽい要素を上手く隠してるから違和感感じないし。
ただ、どこかで一線引いてる感じがこの人賢いんだな、って思って。」
「……田淵くん、なんでそんなに私のこと分かるの?」
ここまで分析されてたらちょっと恐怖なんだけど。
「あ、また誤解を……。
俺もあんまり群がるの好きじゃないから人と必要以上に関わるの苦手だし、めちゃ態度に出してしまっていて。
斎藤くんから同じような人がいるって聞いてからちょこちょこ見てたけどこの人めちゃめちゃ人付き合い上手いなーって思ってて。」
目にかかっていた長い前髪を指で払い除けて大きな目が見える。
見えたからって視線が合うことはないけど。
よく見たら顔立ちも整ってていわゆるイケメンだ。
まあ、斎藤の友達だからイケメンなのにも頷ける。
「別に私は賢くないよ。
それなりに付き合いやっとけば自分が困らないって思ってるし。
全部自分のために動いてるから。人の事なんて考えられてないよ。」
大きな目をさらに大きくして私を見る。ようやく田淵と目が合ったけどこんなキラキラした目で見られるとなんか恥ずかしいな。
「やっぱりAさんは賢いよ。
一緒にいてどんどん吸収したくなるな、って思った。」
「やめてよ、私の事歌詞にするのだけは。」
へ?という顔をする田淵。
この人意外と表情豊かだな。
「斎藤とバンド組んでるんでしょ?
歌詞書いてるの田淵くんだって聞いた。
吸収したり話すのはいいけど、歌詞になるのは嫌だな。」
そんなこと、と目が泳いた。
え、ほんとに書く気だったの?って思ったけど田淵の書く私がイメージされた歌詞はちょっと見てみたいな。
「……じゃ、あ……
歌詞書かないからこれからもここに来ることにしよう。
Aさんとまだまだ話していたいから。」
【ここ、私の特等席ですが?】
(ねえ、田淵に懐かれたんだけど。)
(まじで?すごいじゃん。)
(あんた他所でロンリーウルフとか言うのやめてよ)
(えーいいじゃん、田淵と貴雄くらいにしか言ってないし。)
(もう1人知ってんのいるんかよ。
このロンリーウルフ斎藤が。)
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田淵さんのお話は沢山描きたいけど、彼の事をお話にするのはかなり難しい。
特殊すぎる。
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裕(プロフ) - 夕凪さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいお言葉に励まされました。夕凪様の小説も読ませて頂きたいと思います。そして続編、少しずつですが書いていこうと思いますのでまたよろしくお願いします。 (2020年4月8日 18時) (レス) id: af8940d8bd (このIDを非表示/違反報告)
夕凪(プロフ) - はじめまして、こんにちは。小説通して、とても楽しませて頂きました。わたしも勝手ながら夢小説を書いているのですが、情景・心理描写など参考になる部分が多々ありました。ひとときの夢をありがとうございます。もし可能でしたら…続きを楽しみにしています。 (2020年4月8日 14時) (レス) id: e6f9b067c6 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - 零さん» コメントありがとうございます!私の中の斎藤さんイメージで書いているので自身は楽しく書かせていただいております。楽しんで頂けてとても嬉しいです。これからも頑張ります! (2020年4月2日 20時) (レス) id: af8940d8bd (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 第一話から拝見させて頂いてます。色っぽくてドキドキする展開にいつもときめいており、更新されてるとわくわくしながら読んでいる自分がいます。これからも応援させて頂きます、頑張ってください! (2020年4月2日 19時) (レス) id: e30a93ed77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:裕 悠 | 作成日時:2020年3月27日 11時