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「え、ダウト。」
「何、ダウトって (笑)
ホントだよ、今までの彼女とはこんなに会ったりしてないし、こんなこと言ったことない。」
明るい声で笑いながら彼は私の方に体を向ける。
「多分俺を知ってる人がこんなところ見たらびっくりすると思うよ。
Aちゃんだからこんなに会いたくなるし、そばにいたいと思うし。」
「え?きゃっ!?」
突然ぐるんと視界が動き、さっきよりも近いところに斎藤さんの顔がある。その後ろに天井が見えるからあ、押し倒されたんだ、と急に恥ずかしくなる。
同時に腰を引かれ、しっかり組み敷かれてるからこんな細いのに男の人なんだ、とあらためて実感する。
「こんなにどうにかしたくなるのもAちゃんだけ。」
さっきまでの優しい笑顔とは違って、たまにライブの時に見るような獲物を捉える色っぽい表情に変わっていた。
ゆっくり斎藤さんの顔が近づいてきて、ちゅっと音を立ててキスをされる。
唇が触れる前の伏し目がちな彼の表情が好きすぎて、目を閉じることが勿体ないと思ってしまう。
「んっ、」
間髪入れずに次のキスが降ってくる。
下唇を舌でなぞられ、おもわず体がビクッと跳ね上がった。
酸素を欲して唇を開くとすぐに彼の舌が侵入してくる。
くらくらとする中で薄く目を開くと、1番近いところで目を閉じている彼の顔が見える。
もともと整った顔してるけどこういう時の斎藤さんってほんとに艶っぽくてドキドキする。
「……大丈夫?息出来てる?」
すっかり入りこんできた舌に酔わされてしまい、気がつくと肩で息をしていた。
ふ、と笑いながら頬を指でなぞられる。
涙出てるじゃん、といって目元にキスを落とす。
「あー、ほんと飽きる気しない。
ずっとこうしてたい。」
続きしてもいいですか、と耳元で囁かれ私の返事を待つより先に首筋に柔らかい唇が這った。
【呼吸さえも忘れるぼどに】
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裕(プロフ) - 夕凪さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいお言葉に励まされました。夕凪様の小説も読ませて頂きたいと思います。そして続編、少しずつですが書いていこうと思いますのでまたよろしくお願いします。 (2020年4月8日 18時) (レス) id: af8940d8bd (このIDを非表示/違反報告)
夕凪(プロフ) - はじめまして、こんにちは。小説通して、とても楽しませて頂きました。わたしも勝手ながら夢小説を書いているのですが、情景・心理描写など参考になる部分が多々ありました。ひとときの夢をありがとうございます。もし可能でしたら…続きを楽しみにしています。 (2020年4月8日 14時) (レス) id: e6f9b067c6 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - 零さん» コメントありがとうございます!私の中の斎藤さんイメージで書いているので自身は楽しく書かせていただいております。楽しんで頂けてとても嬉しいです。これからも頑張ります! (2020年4月2日 20時) (レス) id: af8940d8bd (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 第一話から拝見させて頂いてます。色っぽくてドキドキする展開にいつもときめいており、更新されてるとわくわくしながら読んでいる自分がいます。これからも応援させて頂きます、頑張ってください! (2020年4月2日 19時) (レス) id: e30a93ed77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:裕 悠 | 作成日時:2020年3月27日 11時