交わらない三角形 second (ページ12)

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幸せとは？ページ12

「……なんだそれ」

少しだけ不貞腐れたような顔をして、またお酒を口に入れる涼太。

チラッと翔太を見ると、テレビに釘付けで涼太の様子に気づいてない。

いたずら心に火がつく。

「涼太、そんなに私のこと好きなの？
私が佐久間君といつの間にか仲良くなってたら寂しいの？」

涼太の隣に座り、片手を涼太の肩に乗せて聞く。

ニヤニヤが止まらない。

翔太をチラッと見ると、あれだけ釘付けだったテレビから気が逸れ、後ろから涼太の後ろ頭をジッと見てる。

よしよし。

「え？…んー、寂しいのかな…
好きなのは好きだけど…」

考え込んで答える涼太。

好きだと言われたことに、内心ドキッとしてしまった。

気持ちを振り払うように、バッと翔太を見る。

わぁ、真っ青って言葉がピッタリ。

血の気が引いた顔をしてる。

「な、なんでだよ！ちょ、おま、涼太から離れろ！」

勢い良く起き上がり、涼太と私の間に入ろうとする。

「えー、涼太は私のこと大好きだから仕方ないじゃーん」

「大好きとは言ってねぇだろ！」

「そのぐらいの気持ちが伝わったんですー」

「おま、ふざけんな！」

離そうと私と涼太の腕ををグイグイ押す翔太と、涼太の腕を掴んで離さない私。

されるがままの涼太。

「ちょっと、二人ともうるさ」
「何か楽しそう！俺も入れてー！」

仲間外れだった佐久間君が、涼太の抗議を遮って間に飛び込んでくる。

　
お陰で、

「うわ！ビール溢れた！」

「勿体無い！」

「…はぁ、そんなこと言ってないで、Aタオル持ってきて」

「あははははっ！ごめんよ～」

慌てる翔太。

勿体無いと嘆く私。

一人冷静な涼太。

笑って気持ちのこもってない謝罪をする佐久間君。

まさにカオス。

「もー、翔太のせいで」

「何でだよ！佐久間だろ！
ってか、元はと言えばお前だろ！」

「ごめん～」

「IKKOやめろ！」

相変わらず言い合う私たちを静かに移動させ、淡々とビールを拭く涼太。

「近所迷惑だからもうお終い」

拭き終わって涼太が立ち上がり、私たち三人を見下ろし言う。

「「「…はーい」」」

親に叱られた子どもみたいな私たち。

机の上の片付け始めるを私たちから離れ、タオルを洗いに行く涼太。

コソッとその場を離れ、涼太のところへ行く。

「涼太ー」

「んー？片付け終わった？」

振り向かずタオルを洗いながら聞く涼太。

「今、幸せ？」

涼太に聞きたかった。