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村上side(当直)



「はぁ、はぁ、…っ」




Aやんな?あれ




村「…Aか?」



「…!!」



村「ちょ、ちょっとまちーやっ」




反射的に走り出したAの腕を掴んだ。



前髪の奥からは涙が見えた



村「っなに泣いとんねん?」



「なんも…ない…からっ」



村「なんもないのに泣くアホがおるかいっ。…とりあえず座りぃ?」





近くのベンチへ座らせ
落ち着くまでゆっくりと背中を撫でると
少しずつ落ち着いてきよった。





…あぁ…あの時もこうやったな…




美玲ちゃんが亡くなって
1人で泣いてた時も
ずっと隣で背中撫でておったわ。


あんなに辛そうな所見た事なかってんから
なんて言葉かければいいかわからんかったんよな…



しかも、いつも辛い時は
こうやって美玲ちゃんがAの
背中を撫でて支えてやってたんよ。



その存在がいなくなったいま
それをしてあげられるのは
この病院で俺だけだと思ってた。





…あいつらが来るまではな?






「…ごめん…っ」



村「んぁーええねんええねん。んで?何を泣いとんの?」



「…思い…だしちゃって…」



村「…美玲ちゃんか?」



「ん…。章ちゃん…が…」



村「ヤスがどないしたん?」



「なんか…美玲に似ててさ」



村「性別超えとるやないか(笑)」



「ん…。あったかかった…のっ」



村「…ヤスはあったかい奴やでぇ。美玲ちゃんもそうやったなぁ?お前が落ち込んでる時いっつもこーやって背中撫でてたもんなぁ」




村「まぁいまはその役目俺がバトンタッチしたけどなぁ?ははは!」




「…っ、ヒナちゃん…っ」




村「…あいつら。優しいやろぉ?」




「うん…っ」




村「お前にもだけど…患者にも優しいやろぉ?」




「ん…」




村「…不安か?あいつらみてて」




村「早く判断して、早く入らないと助からんわぁ!って言いたくなるやろ?(笑)」



「……んっ」




村「けどなぁ?腕がええねん。あいつら。尚且つ患者の心も治療しながら進めてくんよなぁ。けど、必ず命も救う。」





村「…早いだけが必ずしも、患者の命を救うとは限らんのや…」





思い出してくれやA…




「早い判断がなくても…救える…っ?」





俺は目を見て頷いた。




村「俺は昔のAも好きやったけどなぁ?」






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ゴリちゃん(プロフ) - 凛さん» ご指摘ありがとうございました! (2016年4月5日 22時) (レス) id: faab9ab15a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 23「観察室」が「監察室」になってます。刑務所ですよ?「監察」のほうは。 (2016年4月4日 13時) (レス) id: 348ff41b9c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 12「いつもより」が「いつもりよ」になってます。 (2016年4月4日 13時) (レス) id: 348ff41b9c (このIDを非表示/違反報告)
浅香(プロフ) - ほんまごめんX-<次は一番右の星を押すからね!(笑)これからもみるからねーん! (2014年11月30日 21時) (レス) id: 5505e10e30 (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - YOUMIさん» うわぁーご丁寧に…ありがとうございます>_<!皆様本当に優しくて私の気持ちにこたえてくれるのがすごく嬉しいです(;_;)!これからもいい作品を届けられるように頑張ります^_^応援よろしくお願いします! (2014年11月30日 14時) (レス) id: f19556adac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しおり | 作成日時:2014年11月20日 0時

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