04-13 違った意味の意味 ページ13
◆ 2004.12.14 / 11:35PM ◆
・・《A》・・
ｼﾞｮﾝｽが言うには、私って話し掛けるなｵｰﾗが出ているらしい。
加えて、そもそも私から生徒に声を掛ける事がないじゃないかと言われた。
そんなｵｰﾗを出していた自覚はなかったけど、そう言えば自分からはあまり声を掛けなかったかな。
『僕も声掛けられた事ないですし』
確かに、そうね…。
ｼﾞｮﾝｽは真面目だなっていう印象がある。
抗議はいつも前の席で聞いているし、父さんの話にも興味を持っていそうだ。
今思えばよく目が合った気がするし、出席届けを出しに来る時はいつも笑顔だった。
その笑顔も興味本位の延長戦だと思い込んでいたけど、どうやら違ったみたい。
今も変わらない笑顔だから。
『私からｼﾞｮﾝｽに話し掛ければ良かったかな』
『実は教授室に用があるって言うのは嘘なんです』
『ん？え、何の嘘なの？』
『咄嗟に出たんです』
『じゃぁ、何しに来たの？』
『蒼井教授の抗議がある時は必ずここに来るんです。どうしてだと思います？』
そんなの聞かれても分かんないから、ここの景色が好きだからかと、当てずっぽうの回答を投げる。
『確かにこの景色も好きですけど、理由は他にあります。あの自販機からAちゃんがここに座ってるのを何度か見かけたんです』
そう言ってｼﾞｮﾝｽはさっき私がｺｰﾋｰを買いに行った自販機を指差した。
『うん。で？ｼﾞｮﾝｽっていまいち話が噛み合わないよね』
『ちゃんと噛み合いますから』と、ｼﾞｮﾝｽが目を細めて笑う。
『僕がここに来る理由はAちゃんに会うためです。話し掛けるﾁｬﾝｽを伺ってたんですけど・・』
『話し掛ければ良かったのに』
『何度か僕が、Aちゃんが座ってる隣のﾍﾞﾝﾁに座ってたの知ってます？』
本当に？全然気づかなかった。そう思って首を振った。
『でしょうね』
少し拗ねる様に言って来るから思わず謝った。
『良いんです。今こうして話せてるので』
昨日、偶然にも喋ったから今日は声を掛け易かったらしい。
『そう思うとAちゃんの好きな人のおかげなのかな。悔しいけど』
『悔しい？』
『それにあの人のおかげで自分の気持ちにも気づけたし』
『あのさ、やっぱｼﾞｮﾝｽと話噛み合ってないよね？』
『これは良いんです。違った意味では噛み合って欲しいですけど』
ｼﾞｮﾝｽは小さく微笑んで並木道の方に顔を向けた。
ｼﾞｮﾝｽ？私にはその違った意味の意味が分からない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 72人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ﾓｼﾞｮ(プロフ) - K-POPさん» ＞K-POPさん☆ こちらにもコメントを！ありがとうございます！あ、やっぱりお父さんに邪魔するなよと思いました？(笑) ねー！あと少しだったのに！黙って風呂に行っておくれ！(笑) (2013年4月10日 3時) (
レス) id: 50fa2c5794 (このIDを非表示/違反報告)
K-POP(プロフ) - お父さん(T_T)あと少しだったのにー(笑 (2013年4月5日 14時) (レス) id: 7b8ef4342b (このIDを非表示/違反報告)
ﾓｼﾞｮ(プロフ) - ＞SuHyunさん☆ そうなんです、お父さんも出てきました！いっぱい出てくるかは分かりませんが、ちょこちょこ出る予定です・・。次の章でもよろしくお願いします★ (2012年7月24日 0時) (レス) id: 4f9c643c3b (このIDを非表示/違反報告)
ﾓｼﾞｮ(プロフ) - ＞maruさん☆ お父さん！邪魔しないでΣ(T□T) もうちょっとで・・・くそー！(笑) 次の章でもよろしくお願いします♪ (2012年7月24日 0時) (レス) id: 4f9c643c3b (このIDを非表示/違反報告)
SuHyun(プロフ) - お！ お父さん登場！ 次章も気になります♪ (2012年7月22日 23時) (レス) id: 89311b5f2f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ﾓｼﾞｮ
| 作成日時：2012年6月16日 22時
