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小さくため息を吐いたお兄さん。振り返った顔はどこか険しそうで、そんな表情に俺たちの期待は高まる一方。
『どうしたの？呼び出し？』
瞬「まぁそんなとこ」
『へー事件とか？』
瞬「事件...まぁ事件っちゃ事件。......先輩のデスクの引き出しの中にゴキブリがいたんだってよ」
俺たちの期待は茶色いあいつによって虚しくも吹き飛んだ。
すんっとあからさまに肩を落とす俺たちだったが、きっと肩を落としたいのはお兄さんの方だと思う。仕方なさそうな顔をしたお兄さんは気だるそうに上着に腕を通した。
『ゴキブリで呼び出し食らうの...』
瞬「俺の班、俺以外ゴキブリいける人いないんだよ」
樹「いや多分そういう問題じゃないですよ...」
北斗「まずなんで引き出しの中にゴキブリいるんですか」
どうやったら引き出しの中にゴキブリが侵入するのかだけでもいいから教えてほしい。
もしかしたら事件じゃね？とか過度な期待を寄せてしまったのはドラマの見過ぎな俺たちの落ち度としても、ゴキブリが引き出しの中にいたから来てくれ、となるのはどうなんだ。
瞬「今日使う資料がその引き出しの中なんですって。だから俺引き出しの中にもゴキブリホイホイ入れるべきだって言ったのに」
樹「いやだからそういう問題じゃ...」
どこかズレているお兄さんは盛大にため息を吐いたのち、俺たちにじゃあまたと断りを入れると足早に去って行った。警察官マジックかは分からないがその背中はなぜかとてもかっこよく映る。
『...あれでも警視なんだからすごいよね』
樹「警視もゴキブリで呼び出し食らうんだな。...でも俺も家にゴキブリ出た時母親呼ぶから似たようなもんか」
北斗「絶対一緒にしちゃだめだろ、それは」
突然現れて、強いパンチを残して去って行ったAのお兄さんは本当に嵐のような人だった。帰って行った理由はさておき。
.
あれから一週間。無事に退院したAはなぜか車に轢かれる前よりも元気になって戻ってきた。本人曰く、毎日のようにお兄さんが見舞いに来て早く解放されたいと頑張ったらしい。
『また会えるといいね！』
北斗「いやなんか、もうしばらくはいいかも」
樹「お腹いっぱい」
Aは確かお兄さんが二人いるらしいが。経歴すごいがゴキブリで呼び出しを食らう警察官の長男を見て育った次男は、正直不安しかない。そんなこと、Aに言えるわけもないけど。
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はたけ - 待ってました！😭これからもこの調子で更新してくれると幸いです💗 (10月9日 17時) (
レス) @page43 id: 8c0f2cdea1 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - mizuiroさん» えぇありがとうございます😭😭長期休暇いただいてました。今年もよろしくお願いします✨ (2023年1月2日 10時) (レス) id: 268531d015 (このIDを非表示/違反報告)
mizuiro(プロフ) - あけましておめでとうございます！更新待ってました...！ (2023年1月1日 23時) (レス) id: c168ba2284 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり - 未来さん» これからも楽しみにしてますね！一つ質問なのですが七木ちゃんメンバーで唯一北斗だけ君付けですがなんでですか？ストーリーとして読んでみたいです！🙏 (2022年4月20日 16時) (レス) id: 679a544487 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - おにぎりさん» えぇ！そんなに褒めていただいて嬉しい限りです！キュンキュン恋愛要素ゼロのギャグ小説でよければこれからもお願いします^ ^ (2022年4月17日 11時) (レス) id: 268531d015 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未来 | 作成日時：2021年10月25日 22時
