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車に戻る。助手席に座り、彼女は遠慮がちながら嬉しそうに左手の薬指を見つめる。
真正面でも分かりやすく隆起していたお腹は、真横から見るとより顕著に突っ張っている。小柄な体の中に自分と彼女の血が混ざった命がいる。不思議な気持ちだ。
『ねえ亮くん』
「ん？」
『申し訳ないなんて思わんでね？ 私つわりはつらかったけどこの子を妊娠した事後悔しとらんし、人生が狂ったとも思っとらんよ』
ねえ、とお腹に話しかけながらポンと軽く叩く。
「わっ……」
お腹が目に見えて動いた。
『おチビ聞こえてる？ 今日からパパがいるよ？』
圧倒されているうちに腕を捕まれ、手がお腹に触れる。
「……パパだよ？ 聞こえる？」
Aがやったように指先でちょんちょん、とつつけばポコン、と大きく動く。
『分かったみたい』
Aはニコニコと楽しそうにおチビに話しかけた。
『今触ったのパパなんだよ。かっこよくて頼りになる世界一のパパ』
「君のママは可愛くて頑張り屋さんな世界一のママだね」
『ちょっと！ 真似しんでよ』
頬をプクッと膨らませて怒るのは昔からの癖だ。
また一緒にいれる。同じ苗字になって同じ家に住んで、いつか子供に恵まれたい。結婚を意識した時からの夢だった。
「俺がおるから無理はさせん。体調悪くなりそうだったら絶対に言ってね？ なってからじゃないよ、なる前に言ってよ？ 買い物も俺が行くからAは大人しく暖かくしてて」
絶対に無茶させないように家事も炊事もなんだってやる。
『か、過保護……』
赤ちゃんが生まれてくる前に2人の時間も精一杯楽しまなきゃな。5ヶ月も離れて暮らしてしまったから話したい事も沢山ある。2人でいられるわずかな時間を大切にしたい。
「ねえA」
『ん？』
「僕と、クリスマス一緒に過ごしてくれませんか？」
俺と俊光と徹也の彼女いない組で競っていたクリスマスの相手探しは、どうやら俺は決まったみたいだ。
『もちろん』
Aはそっと右手を重ねた。
「A」
『ん？』
「キスしてもいい？」
柄にもなく緊張してつい聞いてしまった。嬉しそうに微笑んだ彼女はいいよ、と頷いた。両手で顔を包む。溢れんばかりの愛を唇に込めゆっくりと重ねた。ずっと触れたかった。触りたかった。
俺達は何度も何度もキスを繰り返した。
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マイタケ - すみません、誤字しました。写真→投稿です、、、 (2021年2月20日 22時) (
レス) id: ae4c543280 (このIDを非表示/違反報告)
マイタケ - はじめまして。はじめてウラツクの写真で涙を流したのがこの作品です。これからも応援してます！ (2021年2月20日 22時) (レス) id: ae4c543280 (このIDを非表示/違反報告)
あおやなぎ(プロフ) - しげさん» こちらこそ読んでくださってありがとうございます！ 毎日コツコツ連載していきますので、楽しみにしていてください！ (2021年2月3日 20時) (レス) id: 098b1a6f9b (このIDを非表示/違反報告)
しげ(プロフ) - はじめまして！楽しく、そしてドキドキしながらお話し拝見させて頂いております。続きが気になってドキドキしております！更新楽しみにしてます^_^応援してます！ (2021年1月31日 1時) (レス) id: 8e9027bcbe (このIDを非表示/違反報告)
あおやなぎ(プロフ) - 明莉さん» 返信遅れて申し訳ございません！ ありがとうございます、頑張ります(^^♪ (2021年1月27日 3時) (レス) id: 098b1a6f9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおやなぎ
| 作成日時：2021年1月19日 20時
