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入口にいたはずのAちゃんは既にその場からいなくなっていた。
走って外に出て、表の入口に向かう。Aちゃんらしき女性は追いつける距離にいた。
「待って!!」
ここを逃したら、もう一生会えない気がする。酷く動揺するAちゃんを引き止めた。幸いにも隣にいたお母さんが連れて行っていいよ、と言ってくれて僕は近くのカフェに招いた。
『ざわ先輩に会うなんて思わんかった……』
「明日名古屋でイベントやるんだからいるでしょ?」
そうだね、と笑ったAちゃんは数ヶ月前と変わらない朗らかな笑顔で答えてくれる。
変わったのは髪の長さか。お尻まであった長い髪は襟足を刈り上げたハンサムショートになった。さっきまで怯えていたけれど、少し心を開いてくれたみたいだ。
「で、質問なんだけどさ、」
僕は髪の毛よりもさらに気になることを突く。
「そのお腹、どうしたの？」
『……それは』
「赤ちゃん？」
Aちゃんは嫌々ながら頷いた。なんてことだ。体調不良はだったのか……
「ちなみにその子のお父さんは？」
まさか、と勘ぐっている。同時に当たらないでくれ、とも願っている。
『亮くん……』
まさか、は当たらなかった。ただ別の方向から言葉のトゲが刺さった。
「別れたのはどうして？」
『いけないと思った。東海オンエアってデキ婚のグループって思われるじゃん、しばゆーだっていわく付きだったし……』
「……今、何ヶ月?」
「5ヶ月だよ。もうすぐ6ヶ月」
気を取り直す。もう随分と妊娠は進んでいて、……中絶なんてできやしない。もちろん中絶していいなんて思わない。
自分で言うのも恥ずかしいけど僕は勘が鋭い方だ。妊娠5ヶ月という数字から計算ができる。
Aちゃんが別れ、突然辞めると言い出したのは7月の初め頃だった。
そこから色んな事を思い出す。あの頃の亮くんは職場では気を張っていたみたいだけど、東海オンエアの撮影になるとどこか落ち込んでいた。
今でも完全復活とはいかず、空元気なままだ。
「ねえ、Aちゃん」
『ん？』
オレンジジュースを飲む彼女に問いかける。
「Aちゃんはさ、もう亮くんのこと好きじゃないないの？」
Aちゃんは苦笑いを浮かべた。
『……うん。今後も会わないつもり』
じゃあどうして、瞳を揺らしてるの？
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マイタケ - すみません、誤字しました。写真→投稿です、、、 (2021年2月20日 22時) (
レス) id: ae4c543280 (このIDを非表示/違反報告)
マイタケ - はじめまして。はじめてウラツクの写真で涙を流したのがこの作品です。これからも応援してます！ (2021年2月20日 22時) (レス) id: ae4c543280 (このIDを非表示/違反報告)
あおやなぎ(プロフ) - しげさん» こちらこそ読んでくださってありがとうございます！ 毎日コツコツ連載していきますので、楽しみにしていてください！ (2021年2月3日 20時) (レス) id: 098b1a6f9b (このIDを非表示/違反報告)
しげ(プロフ) - はじめまして！楽しく、そしてドキドキしながらお話し拝見させて頂いております。続きが気になってドキドキしております！更新楽しみにしてます^_^応援してます！ (2021年1月31日 1時) (レス) id: 8e9027bcbe (このIDを非表示/違反報告)
あおやなぎ(プロフ) - 明莉さん» 返信遅れて申し訳ございません！ ありがとうございます、頑張ります(^^♪ (2021年1月27日 3時) (レス) id: 098b1a6f9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおやなぎ
| 作成日時：2021年1月19日 20時
