検索窓
今日:7 hit、昨日:10 hit、合計:18,857 hit

4 ページ6

「……雅貴くん、今ちょっとめんどくさくなったでしょ」

「えっ。……なんでわかったんだ?」

「顔に書いてある。いいよ、段があってもなくても、弓は引けるんだし」

私もめんどくさくなってきた。段位のことを言わなかった理由はもう話したし、今日のところは雅貴くんも目的達成のはず。

「それで、もう俺に話していないことはないな?」

「え……うん、多分」

「本当だろうな?」

「うん。ていうか、何を話しておけばいいの?」

「……そう言われると難しいな。実は弓歴10年でした、とか」

「ふふっ、なにそれ、普通に中学からだよ。なんかあったらすぐ言うのに」

雅貴くんもテキトーに喋り始めたし、もう気を抜いていいだろう。

……と、話を切り上げるつもりでいたけど、1つ忘れるわけにはいかないことがあった。

「あ――1個だけあった。言ってなかったこと」

「なんだ?」

「私、もともと斜面打起こしでやってた」

「……」

雅貴くんの手からみかんが落ちた。

「……お前、その弓歴で審査3回受けて、流派変えまでしてるのか……?」

どんな人生だ、と雅貴くんは頭を抱えている。

「いや、ちゃんと理由があるから! 斜面は、その、教えてくれる人がいなくなったから続けられなくなっただけで……」

このへん、雅貴くんには詳しく話したい内容じゃないからはしょるけど。

「正面で引き始めたのは、雅貴くんと知り合う少し前からだよ。湊と、湊の幼馴染の子に教わってた」

5 雅貴視点→←3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (26 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
84人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:三宮 | 作者ホームページ:https://alicex.jp/riiiiidoooosog7/  
作成日時:2023年4月1日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。