6 雅貴視点 ページ18
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夜中に目が覚めたと思ったらなんだが尿意を感じて、もうそんな歳なのか? とショックを受けた。
明日も下僕5人を働かせるため朝が早い。あと2時間と経たず起床時間になるのに、微妙な時間に目覚めちまったな。
とりあえずトイレに寄り、また自室に戻る途中、廊下に思わぬ人影を見つけた。
「よう。こんな時間にどうした? お前もトイレか?」
「ひっ――」
女子部屋の方に続く廊下を歩いていたAの肩を軽く叩き、後ろから声をかける。
するとすごい勢いでこっちを振り向いたと思ったら、ふらりと後退り、そのまま床に座り込んだ。
「おいおい、どうしたんだ」
「…………びっくりした」
「まさか、幽霊だと思ったのか?」
「…………うん」
座ったままのAに手を貸すと、素直に掴んでくれたが立ち上がらない。Aも驚いているみたいだった。まさか腰が抜けたのか。
「悪い、驚かせて。立てるか?」
「立てない……」
しゃがんでAと目線を合わせると、恥ずかしそうな表情で目を逸らされる。そして普段と違いメガネをかけていることに気付いた。
静弥と違いフチの細いそれは、静弥と同じく知的な印象を抱かせる。そういや頭良いんだったか。
しかし猫背気味な体勢のせいかTシャツの首元が開き、中が見えそうで見えず非常に危ない。見るな、耐えろ俺。
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作者名:三宮 | 作者ホームページ:https://alicex.jp/riiiiidoooosog7/
作成日時:2023年4月1日 21時