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練習は射込みがメインで、雅貴くんが順に見ていきアドバイスをする。そして男子は下僕労働だ。

「野球部の球拾いさせられてる3軍部員みたい」

「まあ、矢取りって、野球部でいう球拾いみたいなものだよね……」

「4人で道場を独占できる貴重な機会だぞ。遠慮なんかしないで、どんどん引けよー」

「はーい」

と返事をしたのは私だけだった。妹尾たちはなんだか申し訳なさそうというか、やりにくそうにしている。

これも勝負の結果だし、男子は射込みより先に集団行動を身に着けた方がいいと思ったんだけど……結果的になんか空気読めない奴みたいになって恥ずかしい。

「いいなー、女子!」

私が勝手に気まずくなっていると、矢取りを終えた男子たちが戻ってきてぼやき始めた。

「ちゃんと"ご主人様"と呼べよ」

「いいなあ、ご主人様!」

嫌味とはいえ、海斗にご主人様と呼ばれるのはちょっと面白かった。

不満げな男子とやりづらそうな女子、そして何か企んでいる雅貴くん。空気悪っ。

射込みに逃げようかと思ったけど、あいにく私の矢は男子が回収してきてくれたばかりで手元にない。

ちなみに蓮さんは黙々と写真を撮っている。

「いいんですか? 私たちばかり練習して……なんだか気が引けます」

妹尾のその言葉に、ゆうなと乃愛も頷いた。

「Aもそう思うか?」

「えっ」

何故名指し? というか、私がこの状況にそこまで罪悪感を感じていないことをわかっていて聞いているな、この人。

「――勝負に負けたんだから、仕方ないと思う」

でも、そういうことなら……と、雅貴くんの欲していそうな言葉で返すことにした。

3→←8.矢の使いで



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作者名:三宮 | 作者ホームページ:https://alicex.jp/riiiiidoooosog7/  
作成日時:2023年4月1日 21時

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