怒りすぎて眼鏡割れそう。 ページ4
俺side
何故か包帯男に怒られている俺と敦。
状況を整理すると、彼–包帯男–は、入水を邪魔した事がどうも気に食わないらしい。
きっと、俺の表情筋はいつもより死んでいるだろう。しかしまあ、どんな事であれ、本人が楽しみにしていた事を邪魔してしまったのは確かに良くなかったかもしれない。
『そうだな。邪魔してしまって申し訳なかった。』
「ちょ、葉月さん!?」(何これ、僕も謝った方が良いのか!?なんか混乱してきた…)
『だが、目の前で死のうとしている人を助けない警察官はいないと思うぞ。』
「成る程。…君、警察官かい?」
『嗚呼。俺は今日この町にやってきたばかりの新人だが、一応警察官だ。』
「でも…それなら、何でこんな所に居たんです?」
『本格的に仕事が始まるのは2日後からだと言われたからな。少し散歩していたんだ。』
「そうだったんですか。」
『敦、俺も聞きたいんだが、お前こそこんな時間にそんな服装で何をしていたんだ?』
「え、」(警察官の葉月さんに、盗みを働こうとしてたなんて言えない!!)
「えーっと…その…」
『あー…、すまない、困らせるつもりは無かった。敦が言いたく無いなら言わなくて良い。』
俺は人を助ける力はあるが、助けた後のメンタルケアも、気が利く言葉もかけてやる事が出来ない。
俺は、本心から出る言葉を、偽る事が苦手だ。
たまには、嘘が必要な時もあるが、俺にはそれが出来ない。
ごめんな、敦。
包帯男が気まずい沈黙を破るように言葉を発した。
「…まあ、人に迷惑をかけないクリーンなジサツが私の信条だ。だのに君に迷惑を掛けた。これは此方の落ち度。何かお詫びを…(ぐぅぅぅぅ」
『敦、腹が減ってるのか?』
「じ、実はここ数日何も食べてなくて…(ぐぅぅぅぅ」
『お前もか?包帯男。』
「「(包帯男…?)」」
「そうだ、ちなみに財布も流された。」
「ええ?助けたお礼にご馳走っていう流れだと思ったのに!」
「?」
「「?」じゃねえ!」
『…せっかく財布を持っている事だし、俺がご馳走しても良「おォーい!」…今度は誰だ?』
「こんな処におったか唐変木!」
『包帯男、お前は唐変木という名前なのか?』
「い、いや違いますよ!…多分。」
「エッ多分って…そうだ、2人とも。良い事を思い付いた。彼は私の同僚なのだ。彼に奢ってもらおう。」
対岸で、眼鏡の”彼”は怒鳴っているのだが、
良いのだろうか…?
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ミカン酢 - コメントお待ちしてます!出来れば評価もよろしくお願いします^ ^ (2022年1月11日 23時) (レス) id: 2555c2f634 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミカン酢 | 作成日時:2022年1月7日 6時