哀れな死神。壱 (ページ19)

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太陽が眩しい…と言いたかったが、生憎曇りだ。ページ19

俺side

久しぶりの地上。

ポートマフィアに3日間拉致されていたために少しなまった体で思いっきり伸びをする。

『ん〜〜っ……久しぶりの外だ。』

あ。そういえば、芥川に追われている時に一応同僚に連絡したが…

〝『千葉葉月、ポートマフィアに追われている！』
「は！？何やってんだ！早く逃げろ！！」
『…何とか撒きたい所だが、恐らく無理そうだ。何日か休む！くっ…おわっ！？』
「え、おい、葉月！！」〟

ﾌﾟﾂｯ

…通話している途中に、いきなり後ろから異能力で襲ってきたせいで間違えて電話を切ってしまった。
無断欠勤にはなってないと思うが。

これ、もしかすると、すごく勘違いされてないか？

『…とりあえず着替えて、包帯とガーゼも新しく付け直そう。せっかく森さんが進言してくれたんだし。』

よし、と家に向かって歩き出す。
曲がり角を曲がった時、見覚えのある姿を見つけた。
あれは…

『敦？』
「…は、葉月さん…！？」

敦は目を見開き、こちらに駆けてきた。

『久しぶりだな。あ、そこまででもないか。』
「葉月さん！今までどこに居たんですか！？しかも怪我してるし！」
『どこって、』
「軍警から行方不明だと知らされて、生死も分からない…！どれだけ心配したと思ってるんですか！？」
『え、そんな大事になってたのか。』
「当たり前ですよ！芥川に追いかけられていると電話が来てから消息不明、挙句に連絡もつかず街中を探してもどこにも居ない！

乱歩さんが生きてるって言わなかったら死んだって判定される所だったんですからね！」

敦のものすごい勢いに気圧された。涙目になっているのを見て、申し訳ない気持ちになる。

頭をわしゃわしゃと撫でておいた。

それから、今回の件の説明をする前に少し心の声を出させてくれ。

『マジか…。』←
「大マジですっ！！」←

その後。

着替えに帰りたいんだが…と言えば、着替えぐらい探偵社でもできます！！と言われ、
手当てをしに帰らせて欲しいと言えば、探偵社でも手当てぐらいしてもらえます！！与謝野さんも居ますから！！と言われ、

泣きそうな顔をした敦に根負けし、俺は素直に強制連行された。