もしもし、もしも (ページ4)

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結局Aの家の近所にあるよく行くチェーンの居酒屋に入って、手慣れた手順で飲み物と料理を頼む。

とりあえずビールにする？なんていう会話が出来るようになってから早一年。

成人してお酒を解禁した当初はまったく良さが分からんかったビールも、いつの間にか一杯目には外されへんものになっていた。

「「『かんぱーい』」」

お疲れ様の意味を込めて、3人でジョッキをぶつけ合ってから琥珀色の液体を体内に流し込んだ。

隣には、スピードメニューのトマトを嬉しそうに口に運ぶAを怪訝な顔で見る大吾。

その視線に気付いたAが、いたずらに笑ってトマト嫌いな大吾の方へ皿を押し出す。

大吾がそれを黙って押し返すまでが、なぜか一連の流れになってて、今日も安定に行われるやりとりを黙って見届けていた。

「昨日はっすんがそろそろAに会いたいからサークル顔出せって言ってたで。なあ？正門」

「あー、そういやそんなこと言うてたなあ」

『はっすんかー、たしかに最近会ってないなあ。けどAサークルは行かへんよって言っといて』

Aと大吾と俺が入ってるフットサルのサークルはそこそこ規模が大きい。

規模が大きいのはAみたいに入るだけ入っといて活動には来やん、みたいな子が多いのもあると思うけど。

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