もしもし、もしも (ページ23)

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背中をさすって少ししたら徐々に安定してくる呼吸。

時間も時間やし、コンビニに出入りする人が珍しいものを見るような目つきで通っていくのがチラチラ目に入ってて。

Aが好奇の目で見られるのが嫌やったから、落ち着いた頃合いを見て声をかけた。

「とりあえず場所移動しよか。立てる？」

『ん、立てる』

Aからバッグを受け取って自転車のカゴに入れて、ゆっくり歩き始めた。

目的地はAの家。

「無理にとは言わんけど、Aが話せそうなら何があったか教えてほしい」

隣に並んで歩いてるものの、俺らの間に会話はなくて。

Aが話し出すまで待てばいいと思ってたけど、脳内にこびり付いて離れへんのは電話をかけてきたときの様子。

自分から弱さを見せることが苦手なAの性格もあるから、自分から切り出した。

『マンションの前の公園ででも、いい…？』

「全然ええよ」

Aが住むマンションの前の公園まで後少し。

Aをこうしたのは何が原因で、これからどんな話をされるのか、見当がつかへんことに怖さを感じながら、歩幅を合わせて歩き続けた。

　
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