もしもし、もしも (ページ18)

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カラオケ店のロゴが入ったグラスを静かにテーブルに置いた大吾。

出ていく前に座ってた椅子には座らずに、ソファに座る私のすぐ隣に腰を下ろした。

大吾の左手の下敷きになった私の右手と、私の右肩に預けられる大吾の頭。

こういう甘えたがりな大吾は珍しいわけではなくて。

黙っていつも通りに接するのが吉だということを私は知っている。

『…恭平の話しすぎたから拗ねた？』

いや、知ってたつもりやった。

右肩に感じてた重みが無くなって、大吾の様子を伺おうと顔を動かしたとき、唇に感じたのは、ヒトのそれの感触。

一瞬何が起こったか分からなくて、自分の中で止まる時間。

頭の中で理解が追いついたときには、自由やったはずの左手までもが下敷きになっていて、抵抗する術がなくて。

その間にも次々に降ってくる熱を持った大吾の唇。

『だ、いご、なんで…』

「ほんま高橋の話ばっかりムカつくねん」

至近距離にあった大吾の顔が離れて、解放されたと思ったのが間違いだったらしい。

「Aは俺がAのことどう思ってんのか気付いてるんやろ」

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