狗巻くんが大好きな女の子のお話

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よかった……よかった……っ、



狗巻くんに、嫌われてなくてよかった……っ、



『…ありがとう、狗巻くん…っ、』




……憂太。
憂太の言う通り、嫌われて無かったよ。




狗巻「……………………………………A」




小さい、声で狗巻か私の名前を呼んだ。
初めて、狗巻くんが私のことを呼んでくれた。




狗巻「………っ、」




『狗巻くん？』



何か言いたそうにしてる。
…なんだろう、いつもだったらなんとなくわかるのに。




狗巻「…………ツナマヨ」




『えっ、』




私は、おにぎりの具での語彙でも、絶対分かることができたけど、今に至ってはわからない。
……いや、本当にあってるのか分からないだけだ。




狗巻「…、」




『…………わかんないよ、ちゃんと言ってもらえなきゃ……わかんない、』



ちゃんと言えたら、狗巻くんは苦労なんてしてない
おにぎりの具でしか喋らないのは、呪ってしまわないようにするため。
……だから、安易に喋ることは出来ないのは知ってる。でも、私の、勘違いだったら……



嫌だよ……





狗巻「…………ﾂﾅ､」





『…………私、馬鹿だからわかんない。
呪ってもいいから、言ってよ』




だって、信じれないじゃん。
狗巻くんが、私のこと好きだなんて。




狗巻「…しゃけ」




少しだけ、私に近づいた。
口元を出し、ゆっくりと口を開いた








「…Aの事が好き。僕と、付き合ってくだ、さい。
…………僕の傍にいて」





…そっか、間違えじゃなかったんだ。





狗巻くんは、私に、呪いをかけた。

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