☆☆変わり者☆☆ (ページ11)

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Aside

赤葦｢ちょ、なんで濡れて……って髪｣

木兎｢えっえっ、｣

『……なんて来るの……なんで無視しないの』

赤葦｢無視出来るわけないでしょ。｣

『……なんで』

赤葦｢とりあえず、これ来てて。体冷えるよ｣

『……そんなことしたら汚れ｢ないから｣……』

木兎｢たっ、タオル！つかって！｣

『え、でも』

木兎｢ん？あ、使ってないから大丈夫だ！臭くはない！｣

そういうことじゃなくて…

まぁでも…

『ありがとうございます』

赤葦｢それよりさ、何があったか聞いてもいい？｣

『……髪切られて、殴られて、蹴られて、水かけられた』

木兎｢えっ｣

赤葦｢なんで……？｣

いつもだったら、お前が原因なんだよ！って言えるけど、そんな気力はない。

もしあっても、言えないだろう。

『……色々』

赤葦｢……そっか｣

木兎｢西谷ちゃん、だっけ？は、やり返したりしなかったの？｣

『……はい』

木兎｢じゃあ偉いじゃん？
相手を大事にしてるってことでしょ！｣

相手を大事に？……それはないな。

『……やり返しても無駄だから、だと思います。
偉くなんて全く無いです。

あ、私帰ります……ジャージ返すね。タオルは洗って明日赤葦に返す』

赤葦｢そんな濡れた格好で帰るの？｣

『え、でも』

赤葦｢それと、その髪のまま帰っていいの？｣

ギザギザでバラバラな髪。確かにこれで歩くの恥ずかしいかも。

赤葦｢あと1時間くらいで俺たち部活終わるから待っててもらえない？｣

『は、なんで……』

赤葦｢俺の親が美容師だからさ、事情説明したら綺麗にしてくれると思うし｣

『え、いやいや迷惑だからいい』

木兎｢西谷ちゃん！ここは甘えといたらいいんだって！赤葦がここまで女の子に優しくしてるの初めて見た！｣
赤葦｢木兎さん？｣

木兎｢ほらなぁ……俺に対してはこれだぜぇ……｣

『ぶっ……』

そんな姿に吹いてしまう。

木兎｢お！笑った！｣

赤葦｢良かった。
体育館の中で待たせてもいいですか？｣

木兎｢うん！大丈夫だと思う！｣

赤葦｢ってことだから、体育館の中にいていいからさ。木兎さん、これでも主将だから｣

木兎｢これでもって……｣

そんなふたりについて行き、体育館に着いた。