ねぇねぇ、蘇枋くん！ (ページ1)

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｢あ、お嬢じゃん｣
｢お嬢、おはよ〜｣
｢お嬢、今日も小さいね｣
｢お嬢、飴食うか？｣

『………

だからそのお嬢やめろ言うてんだろ！！！』

｢お嬢、回し蹴りなんてしたらパンツ見えるぞー｣
｢お嬢のパンツなんて誰得だよ｣
｢お嬢の回し蹴りなんて食らったら死んでまうな｣
｢｢｢たしかに｣｣｣

『絶対思ってないだろ！！てか笑いすぎ！！』

お嬢………というのは、私。舞原 Aのことだ。
クラスで唯一の女子……学校も学校なので、お嬢呼び。
どうせなら、姉御とかが良かった。

まあ……その学校というのが、風鈴高校。
私の住んでる街では、知らない人はいない高校だ。

柿内｢てか、お嬢！さっき見たぞ〜。おばちゃんのこと助けてただろ！やるなあ〜！｣

『あれくらい別に普通。困ってるの無視なんてできないでしょ』

杏西｢お嬢らしいな〜｣

『お嬢って呼ぶな！！！！』

杏西｢い"って！！！ギブギブギブギブ！！！なんで俺だけ…………たぁ〜〜、マジでお前怪力だな｣
『なんだって？』

ギリギリと音がしそうなほど相手の腕を握る。
多分…というか絶対、杏ちゃんの方が力強いのに出さないのは優しさなのだろうか。それとも馬鹿にしているのか………いや、後者だな。

｢あ、お嬢。
また杏西くんいじめてるの？｣
『あ、蘇枋くん！！おはよー！！』

蘇枋｢はいはい、おはよ｣

杏西｢お嬢の変わり様よ……｣

『蘇枋くん！今日もかっこいいね！！』

蘇枋｢わー、ありがとう｣

『蘇枋くん！！好き！！大好き！！』

蘇枋｢うん、知ってる｣

『蘇枋くん！付き合って！！』

蘇枋｢いつかね｣

桐生｢……相変わらずだね、お嬢｣
高梨｢お嬢、怪力女なんだから力制限しろよー。じゃねぇと、蘇枋の腕折れんぞ｣

『蘇枋くんの腕はそんなヤワじゃありませーん』

こんなガッシリしてんだから折れるわけ無かろう。
てか力入れてないわ。

楡井｢さすが、舞原さん…！積極的だなあ｣

『にれちゃん…！
にれちゃんだけだよ！ちゃんと名前で呼んでくれるの……！』

あ、遥ちゃんは別。あいつは、お嬢とも呼んだことがない。
勿論、蘇枋くんもお嬢呼び……多分楽しんでる……

桐生｢……ていうか、お嬢。
蘇枋くんに当たってるんじゃない？｣

楡井｢へ？なにがです……か……?!｣

すぐに分かったのか顔を真っ赤にする、にれちゃん。
……遥ちゃん並に顔が赤い。

『当ててるんですー』

蘇枋｢……｣

桐生｢……お嬢は凄いね｣