好きをあなたに

めりくり！ *1 ページ16

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ノンリアル


Side K




F「北山！こっちこっち！」



待ち合わせ場所できょろきょろしていると耳に届いた言葉。振り返ると、爽やかに手を振っているイケメンがいた。




K「藤ヶ谷、お待たせ」


少し気恥ずかしくてマフラーに埋もれながら言うと、


F「んーん、俺もさっき来たとこ」


と俺のマフラーを少し下げて顔を覗き込まれる。





通り過ぎる女子高生が”かっこい〜”なんて言いながらちらちら盗み見ていることなど気にせず俺に優しく微笑みかけるのは俺の彼氏、藤ヶ谷。




クリスマスのせいか、いつもより一層甘い。



K「ん。で、どこ行くの？」


F「今日はクリスマスだからね〜、秘密」



そう言って歩き出す藤ヶ谷に慌てて並ぶ。




いつもは行く場所を教えてくれる藤ヶ谷だが、今日は「ちょっといい服着てきてね」という指定だけだった。




俺のペースに合わせて歩いてくれる藤ヶ谷に連れてこられたのは、駅から少し離れた路地裏。




K「え、ここ？」

F「そ、先輩の知り合いがやっててね。
何回か連れてきてもらったことがあるんだ」




と言いながら隠れすぎている隠れ家バーの扉を開けた。
知らなかったら絶対に辿り着けない、と思いながら俺も藤ヶ谷に続いて店内に入る。


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