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集まって遊んだ日から、毎日ゆうだいのことを考えている。
(ゆうだい…ちょっと声、変わってたな…)
好きと言われたらどんな感じだろう。
聞いてみたい、今のゆうだいを知りたい。
心の中で日に日に大きくなる気持ち。
(会いたい…)
そんな思いが大爆発を起こして、ゆうだいを食事に誘ってしまった。
「奢り?」
「なわけ無いやろ。」
「そうやな。」
友達と約束して、食事に来た。それだけ。
(なのに…)
やっぱりドキドキしている。
(気づかなきゃよかった…)
思わず出たため息。
ゆうだいが心配そうにこちらを見る。
「大丈夫?仕事大変?」
「あ、いや…」
いっそ諦められたら楽なのに、ゆうだいが優しくてまた好きになる。
(誘ったの失敗だったな…)
こんなふうに接されると、大切にされて愛されていた日々を思い出してしまうから。
食事が終わり、会計を済ませて外に出る。
「お、星キレー!」
そう言って無邪気に笑う横顔を見て、泣きそうになった。
(多分、この恋は叶わない。)
ゆうだいにとって俺はもう過去の人だ。
伝えることもままならない。
(消えるまで、抱えるしかないかな。)
ひときわ強くなった恋心を背負って帰ろうとしたとき、
「まさる」
ゆうだいに引き止められた。
「なに?」
「言いたいことがある。」
「…うん」
早くしてほしい。ゆうだいといればいるほど胸が痛むから。
ゆうだいは俺に近づいてきて、真っ直ぐ微笑んだ。
「好きや、まさる。」
「え…」
「高校生のとき俺から別れて、いまさら告白とか…勝手でごめん。」
申し訳なさそうにうなだれるゆうだい。
(ああ、こんなことって…!)
気づいたら涙を流していた。
「え!まさるっ!?」
慌てるゆうだいに抱きつく。
「まさる…?」
「俺もっ…俺も好きやっ!」
「…ほんと…?」
「嘘つかんわ…」
そっか、とゆうだいが呆けたように呟いて俺を抱きしめる。
「…ごめん、自分勝手で。」
「今許した。いいよ。」
「…まさる。」
「ん?」
「家、来る?」
「…行く」
それからじっくりと愛し合って、上京をきっかけに同棲を始めた。
今でも、別れを切り出される夢は見る。
そんな夜は、ゆうだいのベッドに潜り込んで寝直すのだ。
そして、温かい胸の中で幸せな夢を見る。
好き、が動かしたちょっと面倒な俺の片思い。
今日も愛する人は隣に。
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Yukaringo - リリィさん?、頑張って更新してほしいです! それとも…もう終わっちゃった? (2020年10月30日 23時) (レス) id: 920c522ffa (このIDを非表示/違反報告)
ごまわさび(プロフ) - リリィさん» シチュエーション思い付いたので、リクエストです!ゆうだいさんが猫化(猫耳+しっぽ)しちゃって、萌えたひろさんが、デレデレに甘やかしちゃうヤツお願いします! (2020年3月15日 0時) (レス) id: 451fe10216 (このIDを非表示/違反報告)
ごまわさび(プロフ) - リリィさん» ありがとうございます! 待ってます!(*´ω`*) (2020年3月13日 0時) (レス) id: 451fe10216 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - ごまわさびさん» リクエストありがとうございました。喜んでいただけてよかったです。シチュエーション思いついたらまた書いてみますね。 (2020年3月12日 19時) (レス) id: f205111617 (このIDを非表示/違反報告)
ごまわさび(プロフ) - 相変わらずの語彙力の無さなのですが、すっごいきゅんきゅんしてしまいました( 〃▽〃) ひろさんカッコいいし、ゆうだいさんかわいいし、 もう神です!! これからも定期的に書いてもらえないでしょうか? 本当に良かったです! (2020年3月12日 15時) (レス) id: 451fe10216 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリィ | 作成日時:2020年3月12日 0時