さんかくと仲良くなったら。【斑鳩三角】

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太一side



伸ばしかけた手をグッと戻した。




今ここでAさんを止めても、きっと結末は変わらないとそう思ったから。



三角サンは、きっと絶対Aさんが好きだ。
三角を見つけたときより嬉しそうに笑って、走ってた。




二人は出会って日は浅くても、オレより一緒の時間は長いから

オレは今日出会ったばっかりで、まだほとんど何も知らない。


服装だって、今日のしか知らないし

髪型も今日のしか知らない。



何もかもが、一歩手遅れになってしまった。




「太一くん？」


「え、あ……なんすか！」



もう、だめだ。


Aさんが三角サンを好きになるのも時間の問題だろう。



「……太一」


「…………臣クン、」


「最後まで諦めるなよ、後悔だけはして欲しくないからな」



「…う、うう〜っ！」





臣クンは俺の頭をぽんと一つ撫でて談話室から出ていった


「バカ犬の取り柄は馬鹿なとこなんだから最後まで馬鹿やんなよ」


「いてっ」



幸ちゃんも、俺の背中を叩いて駆け足で自分の部屋へ帰っていった



「そっすよね、俺頑張るっす！」


久しぶりに芽を出した恋心は、まだ枯れる時じゃない。


枯れるその時まで、沢山Aさんに好きと伝えればいい

馬鹿みたいに真っ直ぐに。

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