波打ち際の憂鬱 ページ46
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風もなく、穏やかな波が打ち寄せて引いていくのを眺めて手を繋いで歩く影。
流石プライベートビーチだと言うだけあって人っ子一人いない。
耳に心地いい潮騒を聞きながら砂浜を二人だけの足跡が刻まれていく。
父さんと何を話していたのか聞いておいたほうがいいのか、それとも知らないふりをするべきか、悩みながら歩いていたせいで歩みが遅くなっていく。
「さっきお屋敷を探検していたらね、ソクジンさんに逢ったの」
まるで僕が知りたいことが分かっているかのように話し始めたAさん。
僕はまずは黙って話を聞いた。
「その時に知ったんだけど、明後日……？もう一つの結婚式、するって」
「……うん、僕はユンギヒョンから聞かされた」
「そうだったんだ。ちょっと急でびっくりしたよね」
「そうだね……。式は二人で準備して、それからもう一つのに取り掛かろうって思ってたのに、まさか華燭が先に執り行われるなんてなぁ……」
ヘヘッと軽く笑ってみたけど、頬が固くなってるのが自分でも嫌ってほどわかる。
僕の隣を並んで歩いてくれるAさんは、二日後に寝耳に水な僕らだけの結婚式がある事、どう考えているんだろう。
早すぎやしないかとか、まだ気持ちの整理がついてないんじゃないか、その他諸々の準備が整ってないんじゃないかとかあれこれ考えてしまう。
「ジミンさん」
呼ばれた僕の心臓がドキッと跳ねる。
何を言われるのか、気が気じゃなくなってしまった。
「ここでのんびり過ごしてってお心遣い、きっと、ソクジンさんからのプレゼントかも知れないね」
「え……」
思わず歩みを止めた。
僕が急に止まった事に少し驚いたAさんが慌てて言葉を続けた。
「あ、あのね？ソクジンさんのお話を聞いて私が勝手にそう感じただけで、勘違いしてるかも知れないから聞き流していいから……ね？」
「うん……、でもどうしてどう感じたの？」
「何だかソクジンさん、ジミンさんに罪滅ぼししたがってるみたいで。
それに親ならやっぱり子供に一つくらい心に残るようなプレゼント、あげたいじゃない？
例えば……誕生日プレゼントみたいな？」
「誕生日プレゼント……」
「もう一つの結婚式は、今日の旅行の口実なんじゃないかなぁ……って？」
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あがしおん(プロフ) - 花帆さん» コメントありがとうございます！面白いと言っていただけてよかったです♪吸血鬼番外編の続き、鋭意制作中です。ボチボチゆるっとのんびりお待ち下さいね☆ (2021年7月6日 7時) (
レス) id: 858700461f (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 吸血鬼ジミンの番外編を拝読できて、すごくうれしい&面白いです！！ぜひこの続きも拝読できるとうれしいですヽ(*≧ω≦)ﾉ これからも応援しております♪ (2021年7月6日 6時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - みほんぬさん» みほんぬさんありがとうございまーーーす！1年ぶりののユンギ主任でしたっ！どうぞ引き続き他の作品もお楽しみくださいっ (2020年3月12日 13時) (レス) id: e1b87f381c (このIDを非表示/違反報告)
みほんぬ(プロフ) - ユンギさーん！あがしおんさん！星！星ー！押しまくりたいのに…既に…といわれてできないー！また楽しみに待ちます！いつもありがとうございます！他も見てます！また他の作品も繰り返し読んできます！ (2020年3月12日 12時) (レス) id: 9284a0a7c9 (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - 未緒さん» んぉぉ……！そう言っていただけてありがたいです〜！ (2020年3月9日 22時) (レス) id: e1b87f381c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あがしおん
| 作成日時：2020年2月18日 1時
