隔靴掻痒（ジョングク君センイル特別編） ページ18
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まだまだ蝉時雨が耳障りな九月。
焼けたアスファルトを踏みつけて歩く、
「よい、っしょ……よい……しょ」
……僕の隣にいる人。
「ヌナ、その先の段差、気をつけて？」
「おっ……危ない危ない……。もっと平坦な道を作れないもんですかねー？」
「そーですね」
今日の僕は運勢が悪いのかな？
何か悪い事でもしたんだろうか？
考えても考えても思い付かない。
僕はすこぶる幸せなはずなんだ。
だってAヌナの彼氏になって初めての誕生日を迎えたんだ。
なのにどうして……どうして僕は……。
「ねえねえグク！だんだんコツが分かってきたよ！」
「良かったですね……」
松葉杖を突いて歩くヌナと並んで、がたつく自転車を押しているんだろう？
遡ること一時間前。
『ヌナが大怪我した』との一報が届き、スマホ一つで家を飛び出し病院まで猛ダッシュ。
走りながら、命は大丈夫なのかとか、どんな大手術してんのかとか、意識は戻るのかとか頭の中でグルグルして全然落ち着かなくて心配で堪らなかった。
いざとなったら僕の血を輸血させる覚悟までしたくらいだったんだ。
病院に飛んでいくと、Aヌナの利き腕には大きなガーゼが貼り付けられ、利き足はギプスで膝下まで固められていた。
足だけ見たら車に踏まれたのかと思う様な処置に、どんな大怪我具合かと聞いてみたら、足首にヒビが入っただけらしい。
それでも全治一ヶ月。何があったか聞いたらば、
「裏道を自転車で走っていたら、目の前に猫が飛び出してきて、ビックリした拍子に自転車ごとすっ転んじゃった！」
ヌナはあっけらかんとそう言った。
「もぉー！グクちゃんてば大袈裟！泣きそうな顔して来るんだもん、ヌナ、ビックリしましたよ！」
「当たり前です！大怪我したって聞いたら誰だって動揺するに決まってんでしょ！」
てか、足首を固定するために膝下までギブスするなんて僕は知らなかったんだ、驚くに決まってる。
ものすごく心配しただけに擦り傷とヒビ程度で済んでよかったってホッとして本気の涙を零してしまって。
「泣き虫グクちゃん！ぴえんぴえん♪」
「ヌナ……そろそろしつこいです……」
病院でも帰り道でも揶揄われまくって、穴があったら今すぐヌナを落としたい。
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あがしおん(プロフ) - 花帆さん» コメントありがとうございます！面白いと言っていただけてよかったです♪吸血鬼番外編の続き、鋭意制作中です。ボチボチゆるっとのんびりお待ち下さいね☆ (2021年7月6日 7時) (
レス) id: 858700461f (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 吸血鬼ジミンの番外編を拝読できて、すごくうれしい&面白いです！！ぜひこの続きも拝読できるとうれしいですヽ(*≧ω≦)ﾉ これからも応援しております♪ (2021年7月6日 6時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - みほんぬさん» みほんぬさんありがとうございまーーーす！1年ぶりののユンギ主任でしたっ！どうぞ引き続き他の作品もお楽しみくださいっ (2020年3月12日 13時) (レス) id: e1b87f381c (このIDを非表示/違反報告)
みほんぬ(プロフ) - ユンギさーん！あがしおんさん！星！星ー！押しまくりたいのに…既に…といわれてできないー！また楽しみに待ちます！いつもありがとうございます！他も見てます！また他の作品も繰り返し読んできます！ (2020年3月12日 12時) (レス) id: 9284a0a7c9 (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - 未緒さん» んぉぉ……！そう言っていただけてありがたいです〜！ (2020年3月9日 22時) (レス) id: e1b87f381c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あがしおん
| 作成日時：2020年2月18日 1時
