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ジリジリ朝日が羽を焼く痛みに眠りの邪魔をされ、無理矢理意識を浮上させた。
朝の日差しを避けようとカーテンを指差すと俺の意のままに動き出し、するすると広がって朝日を遮った。
「……翼が焦げた」
大げさじゃない。俺は太陽の光にとても弱い。
悪魔なら見ただけで消滅してしまうだろうが、俺は消滅まではせずともこうしてダメージは残る。
地上の動物の姿に変わればダメージは最小限に抑えられる。それに気付いたのが地上で目を覚ましてしばらく経ってから。
だから遠くに移動する手段も兼ねて『鳥』の姿を模して行動していた。
「ふぅ〜〜……ん」
下の方で女の呻き声がする。
ベッドの下の床でスローピローを枕に毛布にくるまる家主のAが眠っている。
人間をしっかり見るなんてそうないだろうから……。この機会にじっくり観察してやるか。
仰向けで薄く口を開けて気持ちよさそうな寝顔の彼女に覆いかぶさり、両手を顔の横に突き、観察してみた。
多少荒れた肌。疲労の色が抜けていない。こんな所で寝たからだろうか？
床を冷やす空気で冷えた髪の毛先に指を通すと、サラサラと絹糸が流れるように指から滑り落ちる。この髪、触り心地がいいな。
一頻り髪の指通りを楽しんだ後、肘を折り、頬に羽毛が触れる程度に指先でそっと触れてみる。
目元の筋肉がピクピクと反応を見せ、小さく唸って顔を背けた。
「……面白い」
人とのふれあいを許されない天使では決して見ることができない、人間の無防備が見せる可愛らしさに知らぬ間に口角が上がる。
細い首に触れると命の流動が伝わってくる。
俺に無い温かさ、俺を助けたぬくもり。
横顔に顔を近づけ、耳に向かって軽く息を吹きかける。
「んふっ……」
Aは高い声を鼻から抜いた。
まるで誘うような甘い悪戯の囁きのように。
「ホントこんな事、天使がやったら懲罰ものだろうな」
良からぬ意地悪を思いついた俺は彼女の耳朶のすぐ下、横向きになったことで浮き上がる筋に唇で噛み付いて軽く吸い付いた。
そっと唇を離し見つめたところには俺が付けた赤い印。
何で情欲の印なんて付けたんだろう。
今、感じているこの感情は……。
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あがしおん(プロフ) - 花帆さん» コメントありがとうございます！面白いと言っていただけてよかったです♪吸血鬼番外編の続き、鋭意制作中です。ボチボチゆるっとのんびりお待ち下さいね☆ (2021年7月6日 7時) (
レス) id: 858700461f (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 吸血鬼ジミンの番外編を拝読できて、すごくうれしい&面白いです！！ぜひこの続きも拝読できるとうれしいですヽ(*≧ω≦)ﾉ これからも応援しております♪ (2021年7月6日 6時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - みほんぬさん» みほんぬさんありがとうございまーーーす！1年ぶりののユンギ主任でしたっ！どうぞ引き続き他の作品もお楽しみくださいっ (2020年3月12日 13時) (レス) id: e1b87f381c (このIDを非表示/違反報告)
みほんぬ(プロフ) - ユンギさーん！あがしおんさん！星！星ー！押しまくりたいのに…既に…といわれてできないー！また楽しみに待ちます！いつもありがとうございます！他も見てます！また他の作品も繰り返し読んできます！ (2020年3月12日 12時) (レス) id: 9284a0a7c9 (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - 未緒さん» んぉぉ……！そう言っていただけてありがたいです〜！ (2020年3月9日 22時) (レス) id: e1b87f381c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あがしおん
| 作成日時：2020年2月18日 1時
